2015年12月04日

NAXOS JAPAN(作)IKE(画)「ベートーヴェン4コマ劇場 運命と呼ばないで」感想

 運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場 -
運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場 -

 ベートーヴェンの日常を描いたギャグ漫画。
 30代前半くらいの頃が中心です。
(その頃に作曲され、作中でも取り上げられているのは「月光」「英雄」「熱情」など)

 解説も多く学習漫画的ではあるのですが、おふざけがすべってなくて、ちゃんと楽しい。
 実際にあったパトロンや弟子たちとの交流や、当時の社会状況も踏まえた上での笑い。

 歴史と音楽をからめて考えたことってあまりなかったのだけど(歴史苦手で知識がないから……)
 ベートーヴェンが生きていたのは音楽家にとって大変な時代だったのね。
 フランス革命の直後で、音楽家を経済的に支えていた貴族たちは力を失いつつあった。

「これまでと違う世界で、どう生きていったら良いのだろう」
 という不安感が、物語の底にずっと流れている(ギャグ漫画なのに)

 音楽室に貼ってあった肖像画のせいで、ベートーヴェンというのは陰鬱で気難しいおじさんのように思い込んでいた。
 漫画でもそういう部分は描かれているのだけど、それより何よりパワフルなの!
 この設定には「あっ!」と目から鱗が落ちる気がした。

 あんな力強い曲を、次々に作曲して発表していったのだもの。
 暗いだけの訳ない。

 物語の語り手として登場する弟子のリース君が、けなげで真面目で可愛い。
 そのライバル、チェルニー君(あの、練習曲で有名な人)も。

 私が一番気に入ったのは、ベートーヴェンの悪友でヴァイオリニストの、シュパンツィヒ。
 ベートーヴェンから信頼されていたようで、弦楽四重奏曲や交響曲など、数多くの初演に携わったらしい。
 恰幅が良くて大らかで、気持ち良い演奏をしてくれそうな人に描かれている。

 ベートーヴェンの音楽を聞くたびに、再びこの本をパラパラして、彼の音楽を身近なものとして味わいたいな。
 クラシックと漫画が好きな方はぜひどうぞ。
 おすすめです♪

運命と呼ばないで - ベートーヴェン4コマ劇場 公式サウンドトラック「ズンドコマーチ頂上決戦」 -
運命と呼ばないで - ベートーヴェン4コマ劇場 公式サウンドトラック「ズンドコマーチ頂上決戦」 -

ベとべんべすと Beethoven-BEST<WEB4コマ劇場「運命と呼ばないで」スタート記念〜ベートーヴェンの生き様がわかる30曲を年代順に収録> -
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 これも欲しい……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:39| 読書 | 更新情報をチェックする