2016年01月19日

映画「創造と神秘のサグラダ・ファミリア」感想

 130年前から作り続けているスペイン・バルセロナの教会「サグラダ・ファミリア」についてのドキュメンタリー映画です。
 一昨年開催された美術展「建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦」がすごく良かったので、その映画版っぽい感じかな? と思って。

 美術展がサグラダ・ファミリアの設計者である「ガウディ」に焦点を当てていたのに対し、今回の映画の主役は100%「サグラダ・ファミリア」でした。
 ガウディよりも、現在建築に携わっている人々の様子が丁寧に取り上げられています。

 最も興味深かったのは「生誕の門」を手がけた彫刻家、外尾悦郎と、
 「受難の門」を手がけた彫刻家、ジョセップ・マリア・スビラックスの対比。

 外尾は日本人で、スビラックスは地元、スペイン・カタルーニャ出身。
 外尾は「ガウディが見たものを見たい」とわざわざカトリックに改宗して仕事にのぞみ、周囲に調和した像を作り上げる。
 それに対しスビラックスは「私は無神論者」と言い、現代(キュビスム)的なカクカクした形の像を設置し、大論争を巻き起こす。

 ガウディの精神に寄り添った外尾より、自分の芸術を貫いたスビラックスの方がガウディっぽい感じがするのが面白い。
 だってガウディ自身がそういう、我が道を行く人だったのだから。
 外尾の「相手に合わせる」やり方は、非常に日本人らしいなと思う。

 どちらが正しい・間違っているというのではない。
 外尾とスビラックス以外にも、ステンドグラスの設計者や現場の作業員など多くの人がサグラダ・ファミリアで働き続けていて、それを見に世界中から観光客が訪れる。
 サグラダ・ファミリアはまだ完成していないのに。

 サグラダ・ファミリアという建物そのもの以上に、「サグラダ・ファミリアの建設」というプロジェクトが人々を魅了し、引き寄せる。
 作品を作る過程を作品に含めてしまう、前衛芸術の精神に近いものも感じました。

 ガウディのデザインの美しさは、美術展の方が詳しくて、映画はちょっと物足りなかったかな〜
 これはもう、実物を見に行くべきなのかもしれませんね。
 入場待ちの長い行列が映っていたけど……
 大変そうだなぁ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:19| 映画・映像 | 更新情報をチェックする