2016年02月23日

「頑張る」とはどういうことか

 私はこれまで、
「頑張る」
 という言葉は、
「それにかける手間や時間を増やすこと」
 だと思っていた。

 たとえば、
「漢字の練習を頑張る」
 だとしたら、
「ふだんノート1ページしか埋めないところを、3ページ埋める」

「テスト勉強を頑張る」
 だとしたら、
「ふだん1日20分しか机に向かわないところを、2時間に増やす」
 という風に。

「小説書きを頑張る」
 となると漢字の練習のように単純ではなくて、魅力的な小説というのはどういうものなのか考えたり、自分の書いた文章が読みやすくなっているか確認したり、まあやることは無数にあるのだけど、
「『小説を書く』という行為のために、頭や指を動かす時間を増やす」
 と考えれば基本は勉強と同じ。

 と、ここまでが私の「頑張る観」
 しかしどうも世間の認識は私とズレているらしく、頑張っているつもりなのに「頑張れ」と言われたり、意味をつかめない「頑張る」を見聞きして「えっ?」と驚いたり、混乱することがよくあった。
 最近になって、

「頑張る」=「無理する」

 だと考えた方が色々腑に落ちると気付いた。

「テスト勉強を頑張る」
 は勉強時間を増やすというより、睡眠時間を減らしたりして、
「勉強のために無理をしている」
 と自分や他人に感じさせる方が大事なのだろう。

 東日本大震災の後にさかんに言われた、
「がんばろう日本」
 という言葉も、見るたび、
「何を頑張るの……?」
 と思っていたのだけど(そんなこととても言える雰囲気じゃなかったが)

「無理しよう日本」
 だったのだ、と考えれば、まあ多少納得がいく。
(言われなくたって無理することになるのに何故わざわざ、という疑問は残るが)

 精神病の人に、
「頑張って!」
 が禁句、というのもよく聞く話で、これも、
「無理して!」
 なら、そりゃ言っちゃダメだよなと分かる。

 他にも、
「いつもより集中してそれを行う」
 とか、「頑張る」の定義は人によって違うのかもしれない。

 けれども多くの日本人にとって、
「苦しい修行に耐えている」
 という満足感こそが、
「頑張る」
 であるような気がする。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 17:07| 言葉 | 更新情報をチェックする