2016年10月19日

オカワダアキナ「猫を飼う」感想

 何この話、可愛い!!
 昭和の雰囲気を残す東京・雑司が谷を舞台に繰り広げられる、ちょっと子供っぽくて人懐っこい女性ミユキと、ヨレヨレの服を着た文学青年ハルオの、恋愛、というか恋愛未満ストーリー!
 甘酸っぱい……!

 ハルオは「マダム三毛子」としてフリーペーパーの占いコーナーを担当していて、そのオネエっぽい文章が面白い。
 先輩が見つけた西武線短歌(本川越南大塚新狭山狭山市入曽新所沢)も身近でウケた。
 やけによく通る声で接客する元役者の喫茶店店員とか、個性的でありながら「いそう!」と思わせる登場人物がいっぱい出てくるのも楽しい。

 お友達の結婚を記念して書かれた話だそうで、全体に幸福感が満ちている。
 死にまつわる話も、生まれ直すためにくぐり抜けなければいけない闇として、前向きに描かれているように感じる。

 文芸同人誌では意外とこういう王道ラブコメって少ない気がするから、読めて嬉しかった。
 もちろん猫の話なので(右目と左目の色が違うソーダくん)猫好きの方もぜひどうぞ。
 猫が魚の夢を見ているような、青い表紙も素敵です♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 02:21| 読書 | 更新情報をチェックする