2017年01月30日

映画「世界一美しい本を作る男―シュタイデルとの旅―」感想



 ドイツにある小さな出版社「シュタイデル社」のドキュメンタリー。
 写真集に力を入れているようですが、ギュンター・グラスの小説なども出しているようです。

 作り手の意図に合った本にするために話し合いを重ね、紙や印刷方法、判型を決めてゆき、納得のいく色が出るまで何度も試し刷りをする。
 規模は違っても同人誌作りで同じようなことをするので、その感覚はよく分かる。

 私は本作りがあまり好きではなく、考えているうちに飽きてしまい、
「ま、これくらいでいっか」
 と適当なところで工夫するのをやめてしまう。

 シュタイデルさんは絶対そんなことしない。
 こういう紙がある、こういう装丁の案がある、見てくれ選んでくれと本の作者にどんどん迫る。
 中途半端な本になんてするものかという強い意志がみなぎっている。

 見ていて感心したのは、何もかもを上質なものにする訳ではないところ。
 安くするための提案もするし、わざと下品なデザインの紙を使って効果を出したりもする。
 何より大事なのは「物としての本」が「本の中身」をきちんと表現出来ているかどうか。

 私も同人誌を作る時に、シュタイデルさんの本への愛情を思い出すようにしたい。
 しかしシュタイデルさんにも負けない本作り狂がわんさかいる同人誌の世界ってとんでもないよね……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 17:01| 映画・映像 | 更新情報をチェックする