
ミス・アンダーソンの安穏なる日々 小さな魔族の騎士執事 (電撃文庫) -
Twitterや同人誌即売会で時々おしゃべりする世津路さんが!
一緒にお出かけしたこともある、あの世津路さんが!!
電撃文庫でデビューしたよ〜 わーい!!
私はあまりライトノベルを読まないのですが、本の最初のところに入っているカラーイラスト、これから始まる物語の予告編のようでワクワクしますね。
アーティくんが可愛過ぎてエッチだ……
安穏なる日々、とタイトルにはある。
けれどもそれは、何の努力もせずに誰かが無条件に与えてくれるものではない。
ミス・アンダーソンは傭兵。戦うことが仕事なのだ。
ミス・アンダーソンの身の回りのお世話をすることになったアーティは、魔族でありながら戦いを嫌い、魔法を攻撃のためではなく料理や掃除に活用する(消臭のために月涙の葉のミストを発生させる手順が見事!)
平穏で温かく幸せな日常こそ、何より貴く、保たれるべきものであると固く信じている(本文より引用)彼も、魔族と人間の対立や、魔族の内乱、人間社会の問題と無関係ではいられない。
ミス・アンダーソンは当然、真っ先に火の粉をかぶることになる。
ミス・アンダーソンとアーティが美味しいお菓子を食べたり、ベッドですやすや眠ったり(アーティは抱き枕!)する「安穏なる日々」は、それを守るための「戦いの記録」でもあるのだ。
魔界も人間界も一筋縄ではいかない事情を抱えており、現実の世界で起きているあれこれを思い出し、身につまされる。しかしあちこちにユーモアと美味しい食べ物がちりばめられているから、最後まで淀むことなく楽しく読み進められる。
特に「乳白星の実のシチュー」と「まろヤギチーズとたまねぎの麦粥」が美味しそうだった。
じゅるる。
アーティの使命は「ミス・アンダーソンを抹殺すること」
でも彼なら、もっと大きなことを成し遂げられるのでは。
そんな風に感じた。