2017年08月11日

「君の名は。公式ビジュアルガイド」感想

新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド -
新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド -

 瀧役の神木隆之介と三葉役の上白石萌音の対談や、新海誠監督、キャラクターデザインの田中将賀、作画監督の安藤雅司、音楽担当のRADWIMPSへのインタビューなどが載っている。
 「ビジュアル」ガイドにしては文字情報が多く、
「『君の名は。』を作った人たちの話が聞きたーい!!」
 と思っていた私は大満足。

 私が新海誠監督のことを知ったのは、日本アカデミー賞授賞式を伝える映像とラジオ番組だった。
 宮崎駿・庵野秀明・押井守など、一目見ただけで一筋縄ではいかないと分かるアニメ映画の監督たちに比べると、ごく普通の、穏やかそうな人に見えた。
 しかしRADWIMPSが作った映画用の音楽に対し、長い褒め言葉と「でも」ここを直して欲しい、という注文のメールを何度も送った、という話を聞き、
「この人にはこの人の面倒臭さがあるな。映画監督なんてそうでもなきゃ出来ないよな」
 と興味深く感じた。

 この公式ビジュアルガイドにはそのエピソードが細かく書かれていて、RADWIMPSとのメールのやり取りは20往復ほども続いたという。
 よく降りなかったな、RADWIMPS……
 「君の名は。」は映像と音楽の合い方が神がかっていて、あれは監督の粘り勝ちだったのだとよく分かった。

 ロサンゼルスで行われたワールドプレミア(世界最初の試写会)では、映画の最後の方で観客たちが歓声を上げたり叫んだりしたという。
 日本の映画館ではそんなあからさまな反応する人いないよね。
 バンドのライブみたいで楽しそうだ。

 安藤雅司の、
「人はこういうものだっていう記号的なところに落とし込まないようにしよう」
 という言葉はアニメキャラの描き方についての話ながら、小説書きにも言えることだと思った。

 シナリオが載っている訳ではないけれど、細かいストーリー紹介があり、耳で聞くだけでは深く考えられなかったセリフの単語を「読めた」のも良かった。

☆むすび
 漢字では「産霊」と書くんですね。
 広辞苑によると「(奈良時代にはムスヒと清音。「むす」は産・生の意、「ひ」は霊力)天地万物を産み成す霊妙な神霊。むすびのかみ」

☆かくりよ
 漢字では「隠り世」あの世のこと。

☆カタワレ時
 カタワレを辞書で引くと「片割れ月」という関連語が出てくる。半月のこと。
 それで瀧のTシャツがHALF MOONだったのか。
 広辞苑では「あふことは片割れ月の雲がくれおぼろけにやは人の恋しき」なんて「君の名は。」そのものみたいな歌が挙げられていて、新海監督が埋めておいた印を見つけられたような気持ちになり、嬉しくなった。

 何かを好きになって、深く知ろうとして、新しい知識や感覚を得られるのって本当に素晴らしいね。
 11月には国立新美術館で新海誠展が開催されるそうで、今から楽しみです♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:41| 読書 | 更新情報をチェックする