2020年11月21日

旅路

私は病という旅に出た
出てしまった
出たくなんてなかった

この旅路で、私は古い友人と再会した
彼女は大量の向精神薬を飲んでおり
時々自殺未遂をした

私は心配するふりをしながら
いつもちょっとあきれていた

私は彼女の苦しみをまるで理解していなかった
自分の思い通りにならない脳の働きが
体調と感情を掻き乱す
たとえ今日が平穏であっても
明日はどうなっているのか分からない

自分の体のはずなのに
自分の心のはずなのに
振り回されるしかない理不尽

我が身に起きるまで
想像もせずに
なんとか出来ると楽観していた

彼女の旅はきっと長くて
今どうしているのか、知らない

帰りたい 早く帰りたい
健康という家に

**********

「ペーパーウェル」という企画が現在開催中で、今回のテーマは「旅」だそうです(概要はこちら
参加する元気がないので暗い詩を置いておきます。
明るい作品は、明るくなれたら書けば良いので。

私の病気は精神病ではないのですが、精神にも影響が出るので治療前はかなりしんどかった。
今も治療が軌道に乗った訳ではなく(薬をとっかえひっかえしているところ。もちろんお医者さんの指示通りに)これからどうなるのかな…… と不安な日々を送っています。

ああ、これは「病という旅」なんだ、と思ったら、なんとなく納得できたのでした。
来たことのない場所にいて、心細く、人の優しさがいつもよりずっと沁み入る。

私は古い友人に全然優しくしなかった。
私に優しくしてくれる人たちはすごいな。

病気になって色々気付けた、勉強になった、良かった、なんて全く思えない。
健康が一番です。本当に。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:28| 自分 | 更新情報をチェックする