2016年03月04日

萩尾望都「ポーの一族」感想

 「魔女の秘密展」で魔女狩りの詳細を知ったら急に再読したくなった。
 魔女ではなく吸血鬼の話だけど、魔女狩りに似ている部分がけっこうある。
 伝説と実際は違うのに、人々は伝説だけを信じ、怯えて主人公たちを追い詰めるところとか。
 ファンタジーでありながらすごくリアルな描写だったんだな〜 と感心した。

 昔がたりと 未知への畏怖が ぼくらの苗床

 というエドガーの言葉が好きだ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:10| 読書 | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

「やさしいレイアウトの教科書」感想

やさしいレイアウトの教科書 -
やさしいレイアウトの教科書 -

 同人誌を作る時、表紙を考えたり、本文ページを読みやすくしたりするのが物凄〜く苦手で、少しでも楽になると良いなぁと思い、読んでみた。
 細かい技術についても勉強になったけど、何より、
「自分がどうしてレイアウトに苦手意識を持っているのか」
 が分かって良かった。

 見た人に衝撃を与えて「オォッ!」とさせるのが「芸術」であるとするならば、見た人に「オォッ!」とさせるか、安心させるか、自在にコントロールするのが「レイアウト」なんですね。
 私は美術館通いが趣味のため、「オォッ!とさせる芸術の世界」にどっぷり浸かり過ぎており、レイアウトが何を目標にしているのか全然つかめなかった。

 だから同人誌を作るたび、
「どうしたら良いの〜」
 と困っていたのだ。

 笑ったのが、この本に出ているレイアウトの中で最も気に入ったのが「やってはいけない例」だったこと。
 私はたぶん、前を通った人が手を出すのをためらうような本が作りたいんだなー と。

 表紙はこれまで以上に堂々と、自分の頭に浮かんだものを「正解」にしよう。
 売れないなら作る冊数を減らせば良いだけのこと。

 本文ページは読みにくくする必要は全くないので、この本に書いてあることを活かして「安心して読める」ものにしたいです。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 21:22| 読書 | 更新情報をチェックする

2016年02月14日

「発展コラム式 中学理科の教科書 第2分野(生物・地球・宇宙)」感想

 教科書、と言っても中学で実際に使われているものではなく、ブルーバックス(講談社から出ている科学を解説する新書)の一冊です。
 著者の一人である滝川洋二先生が大学時代の恩師で、教員免許を取るために「理科教育法」という授業を受けていました。
 名前を見たら懐かしくなり、読んでみることに。

 科学の話題がコラムとしてまとめられているので、短い空き時間にちょこっと読むのに便利。
 タイトルだけ抜き出してみると、
「クローン生物 その問題点は?」
「恒星の一生 太陽の将来はどうなるか?」
 なんて感じ。
 コラムは体系的に並べられているので、勉強したな〜 という気分にもなれる。

 文系だけど科学についてちゃんと知りたい! という人にぜひおすすめしたい。
 もちろん私みたいに理系の人が思い出すために読んでも良いと思う。
 使わないと忘れちゃうからさー もったいないよね。

 図やグラフもいっぱい入っていて、それを見ているだけでも楽しい。
「地球史での生物種の増減」
 とか。古生代と中生代の境界で大量絶滅するんだよ。

 生物の種なんて全く永久不滅のものじゃない(人間もな!)
 それでも生物の種は再び増えていくし、惑星や恒星は生物以上に頑丈だし、でもそんな星さえいつかは死んでゆく。
 人間の一生とは違うスケールで変化する地球や宇宙について考えると、私の心は安らかになる。

発展コラム式 中学理科の教科書 改訂版 生物・地球・宇宙編 (ブルーバックス) -
発展コラム式 中学理科の教科書 改訂版 生物・地球・宇宙編 (ブルーバックス) -

 私が読んだのは古い方ですが、2014年に改訂版が出たようです。
 
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2016年02月11日

雲田はるこ「昭和元禄落語心中8巻、9巻」感想

 9巻が発売されましたね♪
 8巻の感想を書いてなかったようなのでまとめて。

 2巻〜5巻あたりでは菊比古(後の八雲)の成長が描かれ、その後主人公は八雲の弟子の与太郎に戻るのですが、8、9巻では八雲の老いが容赦なく描かれるのです。

 思う通りに声が出なくなり、噺を忘れていく恐怖に震えながらうずくまる八雲は、自分の落語に自信を持てず不安でいっぱいだった若い頃の菊比古のよう。
 菊さんは誰かにぎゅーっと抱きしめられながらじゃないと生きていけないような人なのに、ずーっと独りで。

 どれだけ経験を積み、名声を得ても、身の内に抱え続けなければいけない、人間の本質的な弱さ。
 それをこんな形で見せるなんて、すごい漫画だなぁと。

 アニメ化されたおかげでTwitterなどでも時々話題になっていて嬉しい♪

 8巻に出てくる噺は、
「初天神」「明烏」「芝浜」「東の旅・発端」「愛宕山」「野ざらし」
 9巻に出てくる噺は、
「芝浜」「元犬」「たちきり」「居残り」「死神」
 です。
 
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2016年01月23日

読んだ漫画2015(自分用メモ)

1
九井諒子
ダンジョン飯1
エンターブレイン
九井さん初の長編。面白かった! RPGに出てくるような魔物を調理して食べる、というあり得ない設定なのに、画力と解説の細かさで実際にやれるような気がしてしまう。だまされる心地良さが素晴らしい。次巻も楽しみ。

2
中村光
聖☆おにいさん11
講談社
写真にうっかり写ってしまった成仏してない落ち武者を、スタンプでロングヘアの女の子に見せるところが面白かった。

3
雲田はるこ
昭和元禄落語心中7
講談社
菊さんが脇役になり、興味を失ってしまうのでは…… と心配していたのだけど、全く問題なかった。展開が上手い。愛し合って結婚した訳じゃない与太郎と小夏に夫婦の絆が芽生え、ページを追うごとにそれがより強く、かけがえのないものになっていくのが伝わってきて、じーんとした。こういう愛情のあり方って、昔はよくあったんじゃないかな? お見合い結婚の夫婦とか。最近は「恋から愛、愛から情」の流れが当たり前になっていて、他の愛の形はあまり描かれない。そういう「少し昔」の空気に思いを馳せられるのも素敵だ。昭和ロマン。この巻に出てくる噺は「寿限無」「時そば」「明烏」「錦の袈裟」「反魂香」「居残り」

4
オノ・ナツメ
子連れ同心
小学館
ほのぼの。身近な人のぬくもり。ちょっぴり切ない場面も。オノ・ナツメは良いねぇ。

5
中村光
聖☆おにいさん12
講談社
バナー広告の話が可笑しかった。

6
NAXOS JAPAN(作)・IKE(画)
ベートーヴェン4コマ劇場 運命と呼ばないで
学研パブリッシング
ベートーヴェンがパワフルな人間として描かれているのが良い。公式サウンドトラックも買ってもらって聴いている。年末、聞きたいラジオ番組が少なかったから、これがあって本当に助かった。

7
石井あゆみ
信長協奏曲1
小学館
サブローのキャラが良い。

8
雲田はるこ
昭和元禄落語心中8
講談社
菊さんの成長だけでなく老いまで描くとは…… すごい。この巻に出てくる噺は「初天神」「明烏」「芝浜」「東の旅・発端」「愛宕山」「野ざらし」

9
九井諒子
ダンジョン飯2
KADOKAWA
ゴーレムを耕すとか、よく思いつくよね…… 頑固なドワーフ、センシの「何かを手軽に済ませると何かが鈍る」という言葉が心に残った。

10
中村光
荒川アンダー ザ ブリッジ15
スクウェア・エニックス
いよいよ完結! あれだけ散らかしまくった話をよくまとめたなぁ、お疲れ様でした、という感じ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:01| 読書 | 更新情報をチェックする

読んだ本2015(自分用メモ)

1
小川洋子・河合隼雄
生きるとは、自分の物語をつくること
新潮文庫
「家を買わないの?」と色んな人に尋ねられるのが不思議だった。自分が何故小説を書こうとするのかも不思議だった。この二つの疑問に関係があるなんて思いもしなかった。この本を読んで、ようやく意味が分かった。「結婚したらローンを組んで家を買う」という物語を信じている人が大勢いるのだ。これまでこういう現実的な人生設計を「物語」とは認識出来なかったのだけど「RPGの世界に行ったらレベルを上げて魔王を倒す」というのと同じ構造だよね。私は世の中にあらかじめ用意されている物語(生き方)がいまいち心身に馴染まなくて、その違和感を物語(小説)の形に変換し、解消することでどうにか生きているのだと思う。既製服が体に合わないから自分で服を作るような感じだろうか。既製服に着心地の悪さを感じる人は少なくないと思う。全部自分で作るのは大変だから、 たいていは今あるものを仕立て直すのだろう。物語を読むのはそのためなのかもしれない。架空の物語を参考にして、多くの人が信じている物語に、自分用の修正を加えること。

2
新元良一(他多数)
英語で読む村上春樹 2014年7月号
NHK出版
藤井光の連載「翻訳をめぐる翻訳」の「『ほんやくコンニャク』を翻訳出来ない」という話が面白かった。

3
大橋洋一(監訳)
ゲイ短編小説集
平凡社ライブラリー
同性愛嫌悪やら女性嫌悪やら嫌ってばかりで疲れてしまった。D.H.ロレンス「プロシア士官」の肉体描写は悪くなかった。

4
阿刀田高
コーランを知っていますか
新潮文庫
コーランはあまり物語的でなく、法律に近い感じがした。

5
深沢七郎
言わなければよかったのに日記
中公文庫
深沢七郎に興味があったので読んでみた。学問を持たずに生きてゆく心細さを感じた。学問なんて無くても何だって出来るのに、無いとあちこちでドギマギする破目になるのだ。

6
大橋歩
くらしのきもち
集英社文庫
大橋歩のイラストが好きなので買ってみたのだけど、文章はあまり好みじゃなかった。新しい発見や驚きが感じられないし、笑えるわけでもない。残念。

7
武田百合子
ことばの食卓
ちくま文庫
枇杷の話が良かった。皮膚をつたう汁の感触。タンと鳴る舌の音。食べ物描写は味覚だけでなく五感全てを刺激するようにすると、目の前にあるように思えて美味しそうだ。

8
大場さやか
明日、また
欠片舎
文学フリマ金沢で購入。全く知らないサークルだったけど、冒頭が好みだったので。若い頃に感じていた不安と希望を思い出させる、誠実な小説だった。

9
牟礼鯨(他多数)
逃避癖のための句誌</haiku id="02">
西瓜鯨油社
真乃晴花さんの「春よ来い願うも手には同人誌」という句が良かった。

10
村上春樹(編・訳)
セロニアス・モンクのいた風景
新潮社
モンクは自分の感情を一切ごまかせない人で、本人も周囲もさぞかし大変だったろうと思う。でもそういう人だからこそ、ごまかしのない、彼だけの音楽を生み出せたのだろう。

11
残雪
かつて描かれたことのない境地
平凡社
残雪の小説を読む時間は、他では得られない、特別なものだ。覚醒したまま夢を見るように読んだ。

12
シャーリイ・ジャクスン
丘の屋敷
創元推理文庫
相変わらず狂ってて最高!

13
くまっこ(他多数)
ぼくたちのみたそらはきっとつながっている
象印社
くまっこさんの「ゆきのふるまち」の世界観を元にしたアンソロジー。まりもさんの「楢の薫り、楓の音」、久地加夜子さんの「DeepWater」が好みだった。装丁も素晴らしくて、同人誌でもここまでやれるのか、と勉強になった。

14
くまっこ
ゆきのふるまち
象印社
私はアンソロを読んだ後にこちらを読んだ。出ることが難しい自分の町。見えるけれども行けない隣の町。町の話であると同時に「自分」と「他者」の暗喩のようにも感じられる。空想の中でしかたどり着けない他者。そこでようやく知ることになる日常の美しさ。読んでいるうちに自然と目が潤む。

15
くまっこ
つきのこ
象印社
現実だと思っていたものが急に背景のようになってしまう場面が好き。

16
村上春樹
ノルウェイの森(上)
講談社文庫
悲しい話のような予感がして今まで避けていたのだけど、想像していたよりずっと楽しい話で、大好きになった。

17
村上春樹
ノルウェイの森(下)
講談社文庫
終わり近くの「我々は生きていたし、生きつづけることだけを考えなくてはならなかったのだ」という文章、私の心をこれからも支えてくれる気がする。

18
添嶋譲
インスタント・リプレイ
空想少年はテキストデータの夢を見るか?
文学フリマ金沢で購入。金沢周辺が舞台になっている掌編集。帰りの新幹線の中で地図を広げて場所を確認しつつ、さっきまで歩いていた(もしかしたら二度と行けない)街を思いながら読むのがすごく幸せだった。ヨコヤマと付き合っている「僕」が可愛い……

19
小泉哉女(責任編集)
Text-Revolutions2公式アンソロジー「再会」
Text-Revolutions準備会
ムライタケさんの「ナイス・トゥー・ミー・チュー」が素晴らしかった。

20
村上春樹
職業としての小説家
スイッチ・パブリッシング
文章の完成度を高めるためにこんなに何度も書き直すのか、と驚いた。直す時の時間のかけ方、他人の指摘の使い方など、勉強になった。

21
村上春樹
ラオスにいったい何があるというんですか?
文藝春秋
なかなか旅に出られないので、代わりに紀行文を読む。

22
大坊勝次
大坊珈琲店
誠文堂新光社
大事な仕事のために明確にしなければいけないことがある、という意志から生まれる言葉は力強く、美しい。「感じた途端に消えてしまうような甘みを出したい」とか。

23
世津路章
八奈結び商店街を歩いてみればー夏やで!ー
こんぽた。
なずなとユキの化粧の話が一番好き。世津路さんの描く憎しみって凄まじいなと思う。この一冊だけでも楽しめたけど、秋の話に続くらしい。

24
世津路章
あの絵と同棲するPさんの弁明
こんぽた。
冒頭が魅力的。読者に向かって冷ややかに語りかけるような文体が作品の内容によく合っている。八奈結び商店街とはずいぶん違う作風で、色んな書き方が出来る人なんだなぁ、と驚く。共通するのは理解不能な他者への苛立ちかな……

25
世津路章
おなかがすいて眠れぬ夜に
こんぽた。
世津路さんが開催した「俺のグルメFESTIVAL」のアンソロジー。全作品食べ物がテーマだから、それぞれの世界の切り取り方の違いがはっきり見えて面白い。

26
新元良一(他多数)
英語で読む村上春樹 2014年8月号
NHK出版
神宮球場に行きたい。

27
大島薫
ボクらしく。
マイウェイ出版
性別という謎は何故こんなにも私を夢中にさせるのだろうな。実際に苦しめられているからかもしれない。

28
松永美穂
誤解でございます
清流出版
資料として。

29
睡蓮・C・野村
いままでの道、これからの道
睡蓮・C・野村
「睡蓮・C・野村」が作者名なのかサークル名なのか不明。鉄道擬人化。サンダーバードが可愛い。

30
睡蓮・C・野村
登場人物紹介読本3.0
睡蓮・C・野村
イラストが付いていて分かりやすい。

31
木山直子
熊本あるある
TOブックス
資料として。

32
唐橋史
青墓
史文庫
中世の日本が舞台で、古風な言い回しを使っているのだけど、少しでも読みにくそうな単語には全てふりがなが振ってあって、読みやすかった。この親切心、見習いたい。第二話に出てくる犬君が可愛い。

33
西乃まりも
ギャラクシィ少年の社会見学記
a piacere
読んだ後、自分の子供時代の話をしたくなるのが面白い。

34
横山三四郎
ロスチャイルド家
講談社現代新書
社会の変化と政治を先読みしてぐんぐん財力を付けていくところが面白かった。

35
大友良英
学校で教えてくれない音楽
岩波新書
音楽のとらえ方が広く深くなる良い本だった。これを読んで、小説を書くことも音楽だ、と確信した。

36
野村哲也
イースター島を行くーモアイの謎と未踏の聖地
中公新書
この夏は旅行出来なかったので、代わりにこの本に乗ってイースター島へ行ってきた。新書千円の旅。安いな。美しい写真がいっぱいで、新書サイズだからどこにでも持っていきやすいし、本当にありがたい夢の乗り物だった。モアイの間を紐パンの屈強な男たちが駆け抜けるトライアスロンが素敵。

37
茂木大輔
オケマン大都市交響詩
中公文庫
資料として。

38
高森純一郎
帰るべき国
高森純一郎
今まで読んだ創作文芸同人誌(たぶん千冊くらい)の中で、一番ワクワクした! アマチュアの作品で、これほど「次、次はどうなるの?」と思わせてくれたのは初めて。買った時は「こんな分厚い本、読み切れるかなー」と心配だったけど、全く問題なかった。信用して良いのか分からない昔の女が、繰り返し玄関の戸を叩く。「同志、安心してください。私です」くぅっ……

39
高森純一郎
賢人支配の砂漠
高森純一郎
ドバイの話。地位ある人々が家事のような手を動かす仕事を嫌うのが興味深かった。指や体を動かさないでいると、頭も動かなくなりそうで怖いなと私は感じるのだけど、それは職人の町の考え方なのかもしれない。

40
高森純一郎
半島と海峡の狭間で
高森純一郎
韓国と台湾の話。それがどんなものであれ、一つのイデオロギーに染まってしまうのは恐ろしい。大切なのは個人と個人が丁寧に向き合うことだ。高森さんの描く恋愛は慎み深くて毎度良いなぁと思う。「韓国では、相手に遠慮なく迷惑をかけられるかどうかが、時として人間同士の信頼度を測る尺度になる」というセリフが心に残った。

41
氷砂糖
born to sing
氷砂糖
幻想的でありながら、現実の存在もしっかり感じる不思議な掌編集。「女の子は」という悪魔と人間の女性の恋愛、というか恋愛になる直前っぽい話が絶妙で、可愛くて、素晴らしかった。

42
並木陽
冬至の歌声、夏至の踊り
銅のケトル社
ポーランドとアイルランドの話。話の構成がヨーロッパの昔話っぽくて素敵だった。

43
ルピシアだより編集部(編)
世界のお茶専門店ルピシア お茶を楽しむ
ルピシア
ルピシアのサイトでお茶を注文したらおまけで付いてきた本。「利休にたずねよ」を書いた山本兼一さんへのインタビューの中の「茂木健一郎さんは「胎内回帰」と呼んでいましたが、茶室というのは、どこかそんな感じのする空間なんです。たぶん、人は時にそういう「異界」の存在を必要とするのだと思います。そして、本当は、絵一枚、花一輪でも異界をつくることは可能なのです」という文章が印象的だった。

44
大澤一生(編)
フリーダ・カーロの遺品ー石内都、織るように
ノンデライコ
ドキュメンタリー映画(監督:小谷忠典)のパンフレット。やっぱり石内さんの写真良いなぁ。文月悠光さんの詩も良かった。

45
コンパス(編)
氷の花火 山口小夜子
コンパス
ドキュメンタリー映画(監督:松本貴子)のパンフレット。紹介映像の「服が歩き方を教えてくれる」というようなセリフに惹かれて見に行った。小夜子さんは本当に綺麗。資生堂ポスターの、写真に添えられたキャッチコピーに懐かしさを感じる。「秋という部屋の入口には白い花が飾ってあります」とか。今と違ってがっついてないよね……

46
国立能楽堂営業課(編)
国立能楽堂 No.369 2014.5
独立行政法人日本芸術文化振興会
能「邯鄲」を見た時に買ったパンフレット。詞章とあらすじと解説しか載っていないので、これより檜書店の「対訳でたのしむ」シリーズを買った方が理解が深まると思う。

47
三宅晶子
対訳でたのしむ 融
檜書店
これでばっちり予習して行ったら、実際の舞台を見ている時に「脳内能の方が良かった……」とがっかりしてしまった。見る前は解説だけ読んで、舞台見つつ対訳読んで、その後細かい単語もじっくり読んで復習、という流れにした方が能を楽しめるかもしれない。まあ、この対訳シリーズだけ読んで脳内能を開催し続ければ、チケット取るより経済的よね。

48
須藤健一(監修)
国立民族学博物館展示ガイド
国立民族学博物館
2014年7月に出た追加版。国立民族学博物館にファイルを持っていってもらってきた。

49
長谷川明
インド神話入門
新潮社
これ、昔バイトで知り合った女の子に借りたんだよね…… 返したいのだけど、どうしたら良いのか。タイフェスに誘おうとメールしたら届かなくて、エッ、となってそれっきり。寂しいのう。

50
アヤキリュウ
お菓子箱ロボット その1
風の舟

51
アヤキリュウ
お菓子箱ロボット その2
風の舟

52
アヤキリュウ
お菓子箱ロボット その3
風の舟

53
アヤキリュウ
お菓子箱ロボット その4
風の舟

54
アヤキリュウ
お菓子箱ロボット その5
風の舟
この5冊で完結。メチャクチャ可愛い絵本。精神的な深さを感じるセリフや、生活実感のこもった描写があるのも良い。テキレボで購入。アヤキリュウさんにお会い出来て嬉しかったなぁ!

55
なのり・まりも
A PIACERE 3 2012 Spring
a piacere
なのりさんの「面影橋」とまりもさんの「記憶の棲む森」が入っている。この二人が描く物語はいつも本質的で深みがある。そして美しい。自分ではどうにも出来ない自分の心。読むと旅をしたような気持ちになる。遠い土地でありながら、自分の奥底でもあるような場所に。

56
らし
雨の日めくり
おとといあさって
雨が降った日だけページをめくる本。卓上カレンダーのように立てられるので、コンポの上に置いて5月〜7月頃に楽しんだ。最初は雨がなかなか降らずうずうずし、梅雨は雨続きで気が滅入ったのだけど「雨の日めくりがめくれる!」と思うと気が晴れた。コンセプトだけでなく内容も素晴らしい。ドン=デンデンが格好良く、夏の訪れは美しく、ラストは切なかった。

57
らし
嘘つきの赤い鳥
おとといあさって
ついのべ集。素敵な物語がいっぱい。未来から来た料理の話が一番好き。

58
森村直也
楽園の子供たち1ー島歴91年9月ー
HPJ文庫

59
森村直也
楽園の子供たち2ー島歴94年9月ー
HPJ文庫

60
森村直也
楽園の子供たち3ー島歴97年9月ー
HPJ文庫
秘密のある島。謎めいた儀式。掟。森村さんの作品で一番好きだ。続きもので、この巻が折り返しとのこと。

61
森村直也
巣くうものたちへの賛歌
HPJ文庫
森村さんの頭の中には地下都市があって、その様子がはっきり見えるのだろうな、と思う。

62
山口高史(作)・煉獄ゾルタン犬(画)
花粉SF
無敵スター
文学フリマ金沢で購入。有名なSFを花粉症とからめてパロディにした本。可笑しい。

63
琴坂映理
猫の宝島 トパゾン島探検隊〜トパゾン島の秘密〜
琴坂映理
絵本。ドラゴンが可愛い。

64
高橋百三・武田若千
温泉卵と黙黙大根 vol.30
温泉卵と黙黙大根

65
高橋百三・武田若千
温泉卵と黙黙大根 vol.31
温泉卵と黙黙大根
vol.30、vol.31で前後編になっている、武田若千さんの「水琴窟」が良かった。

66
ぶりお
将軍
ぶりお
上手いなぁ。

67
ぶりお
スーパーパワー
ぶりお
男の子!

68
ナカナカ
満ち足りたわたしの空洞
ナカナカ
「わたしは困ったとき、適切な人に助けを求めることができる」という文章が心に残った。これは大事なことだし、意外と出来ない人が多いように感じる。

69
ナカナカ(ナクナク)
ある自閉症スペクトラムの人の話
ナカナカ(ナクナク)
68と同じ人なのだけど、ナクナクが筆名なのかサークル名なのか不明。「知識は、わたしに対して、怒ったり、怒鳴ったりひどいことを言ったりしません。だから、本が大好きです」というの、私も心底そう思う。

70
Soup Stock Tokyo
Soup Stock Tokyo 2015 April
Soup Stock Tokyo
Soup Stock Tokyoのちらし。毎回インタビューが載っていて楽しみ。写真家ルシール・レイボーズさんの「あなたの持ってる人と違う部分は、あなたの宝物ですよ」という言葉が良かった。

71
Soup Stock Tokyo
Soup Stock Tokyo 2015 May
Soup Stock Tokyo
レポーター竹内海南江さんの「旅は『どんな自分でいれば、いい出会いに巡り逢えるか』を意識すること」という話が良かった。旅だけでなく人と出会う場所ではいつでも言えることだよね。

72
メルヴィン・モティ
ノー・ショー
横浜トリエンナーレ組織委員会
第二次世界大戦中に、エルミタージュ美術館で行われた空っぽの額縁を見て回るツアー(もちろんガイドが説明しながら)についての美術作品についての説明冊子。戦時中でも芸術活動を大事にしたレニングラードの人々の話に胸が熱くなった。

73
まりも
A PIACERE MARIMO BRANCH vol.2
a piacere
a piacereの作品紹介と掌編二つ。「妻の領分」が良かった。夫婦のくちづけ。ホームページで公開されているという「電波女と夜の蝉」を読んでみたい。

74
酒井真帆
氷紋
酒井真帆
小さな歌集。「湿らせたリードを舌に代えたって出せない音が二つあります」というのが良かった。

75
ゆみみゆ
ヒール男子!
愛的財産
前半すごく面白かったのだけど、後半の伏線の回収で説明的になってしまったのが残念だった。「お薦めのランチメニューを訊いているかのような口調」という比喩は良いなと思った。

76
青波零也・砂紅果香
千刺万紅
シアワセモノマニア+rg
やっぱり砂紅果香(高村暦)さんの文章、好きだ〜!

77
たつみ暁
なまけものの石ころ小箱
七月の樹懶
短編集。長年小説を書くことを大切にしてきたのだろうな〜 と思わせる、丁寧でしっかりとした文章。ルーズリーフの話が甘酸っぱい。ルーズリーフという単語だけでもきゅーんとなるよね。懐かしい学生の日々。

78
きと
ごちそうさまです!
be*be
俺のグルメFESTIVAL参加作品集。パンプティングとイクラとウニの冷製パスタが美味しそう。

79
アヤキリュウ
まほろば町EXTRA
ここち亭
お菓子箱ロボットとは全く違う雰囲気の作品。どっちも好きだな。精肉店ミート田中のメンチカツとかコロッケとか、美味しそう。食い物にばかり反応しちゃうな……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 14:00| 読書 | 更新情報をチェックする

2015年12月18日

【オトナのぬりえ】やらないか!

【オトナのぬりえ】やらないか! -
【オトナのぬりえ】やらないか! -

 新宿の紀伊國屋書店に行ったらこの本があちこちにあって、買うのを我慢するのが大変でした。
 ぬりえというより伊藤文学さんのエッセイ集っぽい感じ。
 とりあえずAmazonのほしい物リストに入れておこう……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 21:05| 読書 | 更新情報をチェックする

2015年12月14日

村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集」感想

 ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 -
ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 -

 なかなか旅行に行けないので、代わりに旅行記を読む。

 アイスランドの、湖のようにデカい温泉の写真にウケた。
 山の間にある、水色の美しい湖からふわ〜っと湯気が立ってて、村上春樹がつかってるの。
 アイスランドはアマチュア芸術が盛んな国でもあるらしく、素敵だなぁと思った。

 熊本の、夏目漱石が住んでいたという家も綺麗だったな。
 ちょうど「熊本あるある」を読んだ直後に熊本旅行の章を読んだので、理解が深まった。
 熊本市は緑豊かで、知らない人がやたらに元気よくあいさつしてくれる街らしい。
 行ってみたい。

 軽めの文章が多いので、のんびりしたい時に読むのがおすすめ。
 ただ、村上春樹の写真がけっこう入っていて、ファンじゃないと、
「何だ、このおじさん」
 ってなるかも……
 
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2015年12月13日

「熊本あるある」感想

熊本あるある -
熊本あるある -

 今書いている小説の主人公が熊本出身という設定なので読んでみました。
 熊本方言もいっぱい紹介されていて楽しかったです。

「あくしゃうつ」
「ぎゃん」
「武者んよか」

 などなど。
 福岡に行った時に、方言を話している人がほとんどいなくて驚いたのだけど、熊本はどうなんだろう。

 この本の中に、
「九州をひとくくりにする感じが許せない」
 とありますが、ごめん、完全にひとくくり。

 特に方言の違いは全く聞き取れないと思う。
 地域ごとにタ行の使い方が微妙に変わるような。
 とう、とる、とっと、ちょん、とか。

 必死になった時にお国言葉が出たりするの、良いな〜 と思うのですが、書けそうにない。
 この子はこういう言葉で育ったんだ、とイメージしつつ、関東の言葉で物語を進めていきたいと思います。
 
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2015年12月04日

NAXOS JAPAN(作)IKE(画)「ベートーヴェン4コマ劇場 運命と呼ばないで」感想

 運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場 -
運命と呼ばないで: ベートーヴェン4コマ劇場 -

 ベートーヴェンの日常を描いたギャグ漫画。
 30代前半くらいの頃が中心です。
(その頃に作曲され、作中でも取り上げられているのは「月光」「英雄」「熱情」など)

 解説も多く学習漫画的ではあるのですが、おふざけがすべってなくて、ちゃんと楽しい。
 実際にあったパトロンや弟子たちとの交流や、当時の社会状況も踏まえた上での笑い。

 歴史と音楽をからめて考えたことってあまりなかったのだけど(歴史苦手で知識がないから……)
 ベートーヴェンが生きていたのは音楽家にとって大変な時代だったのね。
 フランス革命の直後で、音楽家を経済的に支えていた貴族たちは力を失いつつあった。

「これまでと違う世界で、どう生きていったら良いのだろう」
 という不安感が、物語の底にずっと流れている(ギャグ漫画なのに)

 音楽室に貼ってあった肖像画のせいで、ベートーヴェンというのは陰鬱で気難しいおじさんのように思い込んでいた。
 漫画でもそういう部分は描かれているのだけど、それより何よりパワフルなの!
 この設定には「あっ!」と目から鱗が落ちる気がした。

 あんな力強い曲を、次々に作曲して発表していったのだもの。
 暗いだけの訳ない。

 物語の語り手として登場する弟子のリース君が、けなげで真面目で可愛い。
 そのライバル、チェルニー君(あの、練習曲で有名な人)も。

 私が一番気に入ったのは、ベートーヴェンの悪友でヴァイオリニストの、シュパンツィヒ。
 ベートーヴェンから信頼されていたようで、弦楽四重奏曲や交響曲など、数多くの初演に携わったらしい。
 恰幅が良くて大らかで、気持ち良い演奏をしてくれそうな人に描かれている。

 ベートーヴェンの音楽を聞くたびに、再びこの本をパラパラして、彼の音楽を身近なものとして味わいたいな。
 クラシックと漫画が好きな方はぜひどうぞ。
 おすすめです♪

運命と呼ばないで - ベートーヴェン4コマ劇場 公式サウンドトラック「ズンドコマーチ頂上決戦」 -
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ベとべんべすと Beethoven-BEST<WEB4コマ劇場「運命と呼ばないで」スタート記念〜ベートーヴェンの生き様がわかる30曲を年代順に収録> -
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 これも欲しい……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:39| 読書 | 更新情報をチェックする