2018年09月15日

まちなかコンサート 村松稔之 佐藤亜紀子



 上野の森美術館で開催された、カウンターテナーの村松稔之さんとリュートの佐藤亜紀子さんによる、まちなかコンサートに行ってきました。

 村松さんは前から大好きな歌い手さんで、佐藤さんはラジオドラマ「暁のハルモニア」の劇中音楽を演奏されていた方。素晴らしい企画をありがとうございます。

 男性が高音で歌うことにより、男性的なものと女性的なものが重なり合って真っ白になるようで「普遍的な愛の声」を私は聴いた。カウンターテナーがみなそうだという訳ではなく、村松さんの歌から特に、天から降り注ぐ愛を感じる。(本来の意味で)尊い。
 リュートの音色は深みがあり、一つの音の中に様々な感情、憂いや希望などを含みながら、穏やかに響く。

 最近、男性と女性が対立するのを見ることが多くなり、お二人の演奏にあるような調和は訪れるのだろうかと、暁のハルモニアの登場人物であるアマーリエ様みたいな気持ちになって、涙ぐんだ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:41| 音楽 | 更新情報をチェックする

2017年10月01日

読響「第200回 土曜マチネーシリーズ」感想

 すっかり日が経ってしまったけれど、9月16日(土)にダニール・トリフォノフのピアノを聴きに行ったことを書いておかなければ。
 ずっと憧れていたロシアのピアニスト。
 時間を作れるか分からなかったので事前にチケットは買わず、当日券で入りました。
 席種や料金を気にしなければけっこうやれるものですね。

 彼が演奏したのはプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番。
 パンプレットに載っていた初演時の新聞記事が面白かったので引用します。

「鍵盤のほこりを払っているのか、もしくは鋭くドライなタッチでめちゃめちゃに叩いているのか、どちらかだった。聴衆はどう判断すべきか、さっぱりわからなかった……」

 トリフォノフさんの演奏も、まあ、おおむね、そんな感じ……
 私は彼のショパンを聴いてファンになったので、正直もうちょっと甘く歌うようなタイプの曲をやって欲しかった(名古屋のリサイタルではショパンやチャイコフスキーを弾いてくれたらしい。良いなー)
 しかしもう21世紀なのだし、本人だっていつまでも「若手ピアニスト」ではいられない。
 難しいこと(難解な曲を聴かせる、伝える)に挑戦していくのは素晴らしいと思うし、これからも応援したいと思った。

 アンコールはプロコフィエフ「シンデレラ」よりガヴォット。
 こちらは彼一人による演奏でした。

 会場は池袋の東京芸術劇場で、基本的にはトリフォノフさんのコンサートではなく交響楽団の演奏会。
 読響(読売日本交響楽団)の「第200回 土曜マチネーシリーズ」

 スッペの喜歌劇〈詩人と農夫〉序曲は聴いていてニコニコしちゃうような楽しい曲だった。
 劇本体は失われており、ストーリーさえ分からないそう。
 「君の名は。」は忘れられて「前前前世」だけが残っているような状態ですよ。
 失われたストーリーを想像出来るのも、素敵なことですよね。

 ベートーヴェンの交響曲 第6番〈田園〉、何で今さら田園、ではあるのですが(さんざん聴いたという印象がある)いや何度聴いても良い曲ですね。
 爽やかで気持ちの良い演奏で、この曲のレコードに惑溺したという高村智恵子を思いながら目を閉じ、響きに身をまかせていました←寝ていた訳じゃないよ!

 ラジオでは毎日のようにクラシック音楽を聴いていますが、やはり生演奏は良いですね。
 音の幅、特に低音が全然違って、耳ではなく体全体が音に包まれる。

 演奏会の後、ホールの入口近くでトリフォノフさんと指揮者のコルネリウス・マイスターさんのサイン会が。
 私は疲れているところさらに疲れさせたら申し訳ないという気がして少し離れたところから見ていたのだけど、マイスターさんがメチャクチャ格好良くてびっくり! ウィーンのお菓子を思わせる上品な美男子(ドイツ出身のようですが)愛想も良くて笑顔を絶やさず、あらやだ、おばちゃんトキメいちゃう!

 トリフォノフさんはちょっと気難しい芸術家っぽい雰囲気。
 まあ慣れない異国で移動と演奏会が続いて、ぴりぴりするのが普通だろう。
 それでも時々笑顔を見せていた。

 トリフォノフさんが目の前にいる、というのが現実と思えず、何だかしばらくぼんやりしてしまった。
 次の来日はいつかな〜 楽しみに待ってるよ!!

posted by 柳屋文芸堂 at 13:52| 音楽 | 更新情報をチェックする

2017年08月13日

RADWIMPS「君の名は。」感想

 「君の名は。」を見た後すぐにサントラを購入。
 RADWIMPSは「フランケンシュタインの恋」の主題歌「棒人間」がすごく良かったし、映画を見る前から「前前前世」の「前前前世から僕は君を探し始めたよ」という歌詞が気になっていたので。
「前世と前前世には会えなかったのか……?」

 映画「君の名は。」はストーリーと音楽の距離感が神がかっていたと思う。
 登場人物の心情を表してはいるけれど、合い過ぎてはいない。
「ちょうど良い曲が偶然あったので使ってみました」
 としれっと言いそうな雰囲気(実際は20回も修正入れて作らせているのに!)

 感動する映画は苦手だと思っていた。
 でも「君の名は。」はパチンとスイッチが入るみたいに、音楽に乗って物語世界に没入出来た。
 ある種のミュージカルなのではないかと思う。

 「前前前世」がオープニング曲でもエンディング曲でもないことを知った時の驚き。
 この曲が流れるシーンは映画の中で一番楽しいですよね。

 「スパークル」が好きなんですよ〜
 瀧と三葉の曲であるだけでなく、前半はテッシーのことを歌っているような気がして。
「やったれやー!」
 と脳内で叫びながら聴いている。

 テッシーの、現状に不満を持ちつつどう変えたら良いのか分からないという感覚は、私が子供の頃からずっと持ち続けている気持ちによく似ている。
 特に思い入れのある登場人物だ(どの子も好きだけど)

 エンディング曲の「なんでもないや」の、
「君のいない世界など夏休みのない八月のよう」
 という歌詞、「君のいない世界」なんて「夏休みのない八月」くらい酷い、あり得ないと強く否定するための比喩なのだろうけど、
「割と簡単に実現しちゃうよね、夏休みのない八月……」
 と過労サラリーマンとその妻は力なく笑っております。

 「デート」「飛騨探訪」のような歌詞なしの曲も可愛くて心地好い。
 日常の中で自然に楽しみつつ、元気になったりじーんとしたり。
 この夏を乗り切るためのアルバムになりそうです。

君の名は。(通常盤) - RADWIMPS
君の名は。(通常盤) - RADWIMPS
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:31| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年11月01日

岩倉高校吹奏楽部

 テキレボの帰りに(10月10日)上野駅でトレインコンサートというのをたまたま聴いた。
 演奏していたのは岩倉高校吹奏楽部。
 吹奏楽から離れて20年以上経つのでこの高校のことも全く知らなかったのだけど、音が明るくて心にじーんと来る、素晴らしい演奏だった。

 YouTubeを見たらその日の動画があったので貼っておく。
 演奏は1:20あたりから。



 定期演奏会に行きたいな〜 と思ったら、12月にあるらしい!

 岩倉高校吹奏楽部 第2回定期演奏会
 12月13日(日)開場13:30 開演14:00
 場所:大田区民ホール・アプリコ
 入場無料
 (情報はこちらから)

 吹奏楽に「うぉぉぉ!」ってなったのは久しぶりだなぁ。
 気持ちが若やぎますね。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:55| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年09月07日

三味線お浚い会終了

 三味線のお浚い会(発表会)が終わりました。
 何だか色んな事があって、とても全部すぐに言語化出来そうにない。
 頑張って記憶しておいてくれ、私の脳みそ。

 とりあえず今の私が最も頑張るべきことは、
「風邪をひかない!!」
 ここ数年、大きなイベント(演奏会・同人誌即売会・旅行など)の後に風邪をひくことが本当に多くて。
 歳のせいですか……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 08:42| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年08月25日

終わったけど終わってない

 今日は三味線のおさらい会(発表会)の下ざらい(リハーサル)
 緊張してどうにか演奏して帰ってきたら、涼しい秋風。

「俺の夏は終わった……」

 いや、本番これからだから!
 
posted by 柳屋文芸堂 at 01:04| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年07月23日

三味線擬人化

 三味線の糸(弦)はけっこう弱いもので(特に一番細い3の糸)弾いている途中で切れることもあるし、置いておいたらいつの間にか切れていた、ということもよくある。
 いつもは真っ直ぐな糸が、はね返るように垂れているのを見ると、まるで男を取られた芸者が髪を振り乱しているようだな、と思う。

 楽器擬人化というジャンルはあるのか…… と検索したら、やはりあるようですね。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:39| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年07月08日

長唄「俄獅子(にわかじし)」

 9月に三味線のお浚い会(発表会)があるので、練習頑張ってます。
 暗譜しなくちゃいけないのがつらい。
 音を覚えるのは本当に苦手。音痴だからだと思う。

 今回演奏する曲は歌詞が面白い。
 実際に吉原にあったお店の名前が出てきたり(菓子屋の「竹村」、豆腐屋の「山屋」)
 この二つのお店、広辞苑にも載っているから驚く。

「ちんちん鴨の床の内 たんたん狸の空寝入」
 なんてユーモラスだしリズムも良い(しかも動物でそろえてある)

 こちらのページ(先生の先生のお弟子さんで日本文学研究者の細谷朋子さんの解説)によると、

ちんちん鴨の床の内
 「ちんちんかも(かも)」は、男女の仲が極めてむつまじい様子をからかって言う言葉。
 「鴨」は、次の「たんたん狸」と対になるようにした当て字。


たんたん狸の空寝入り
 眠ったふりをすること。狸寝入り。
 本来、遊女を待つのに(見栄を張って)眠ったふりをしている客の様子を指した言葉。


 とのこと。
 「ちんちんかも(かも)」が実際に使われているのを初めて見たよ。
 なかなかインパクトのある単語だよね。
 日本語の中で一番好きかも(それもどうか)
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:47| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年06月22日

Toumani Diabaté「Kaira」

 iPhoneに入れている音楽で一番再生回数が多いのは、Toumani Diabaté(トゥマニ・ジャバテ)の「Kaira(カイラ)」というアルバム。
 マリのコラという楽器の演奏です(歌は無し)

 涼やかな音色で、夏に聴くのにぴったり。
 どれも単純な曲ではないのに、さらさらとクセのない弾き方で、何度再生しても聴き飽きない。

 コラというのはひょうたんで作ったハープのような楽器らしい。
 実物は見たことがないので分からない。
(ウィキペディアで検索しただけの知識)
 国立民族学博物館あたりにありそう。

 Toumani Diabatéさんは他にも沢山アルバムを出しているようなので、もっと聴いてみたいな。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:17| 音楽 | 更新情報をチェックする

2015年06月15日

クレアクラスコンサート

 毎年恒例、友人が出演している「クレアクラスコンサート」に行って来ました。
 山田隆広さんというピアニストの方が主宰している音楽教室の発表会。

 私が見たのは出演者49人のうち最後の7人だけだったのですが、難曲ばかりなのに譜面を追うだけになっていないのがすごいな〜 と思った。
 優しさや輝きなど、音ではないものが音の力によって伝わってくるのです。
 ピアノの上にふわっと立ちのぼる感じ。

 「譜面を追うだけの演奏」というのは、機械が自動的に文章を読み上げる時の音声を思い出してみると分かりやすいと思う(荷物の再配達の日時の確認とか)
 音量も音程も変えず平坦に、
「マー君あたしのこと好きって言ったじゃん」
 を読むのと、
ー君たしのこときってったじゃん!」
 と大文字のところにアクセントを付けて読むのでは、そこに表れる感情が全く違う。
(マー君を責め立てる女の子が見えるかな?)

 上手い演奏というのは、上手い演技に似ているのかもしれない。
 棒読みでは感情が伝わらないし、音の工夫が大袈裟だとクサい芝居みたいになり、見て(聴いて)いられない。
 今日聴いた演奏はどれも、演技が自然で心地好かった。

 友人が弾いたのはサン・サーンスの「アレグロアパッショナート」
 叙情的なメロディと挑戦的な音の試みが混ざった美しい曲。
 複雑なのに無邪気なところもあって、聴きながらパウル・クレーの絵を思い浮かべていた。

 彼女はトロンボーンも吹くのだけど、今日の演奏中も何度か息つぎして、そのたび、
「ピアノは管楽器じゃねーよ!」
 と心の中でツッコミを入れた。
 だって「スッ」って息吸う音が客席にまで響くんだもの。
 押すだけで鳴るのよ、その楽器……

 私は知り合った高校の頃から彼女のファンだ。
 一人の女性の人生と、ピアノの音の変化を見続けられるのは本当に貴重で、素敵なことだと感謝している。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:05| 音楽 | 更新情報をチェックする