2014年07月12日

アンドロイド― 人間って、なんだ?(日本科学未来館)

 今日はお台場の日本科学未来館に行ってきました。
 一番の目的は、石黒浩先生のアンドロイドを見ること!!
 公式サイトの説明はこちら
 ロボットというより生き人形に近いです。

 コドモロイドという少女の姿をしたアンドロイドはニュースを読んでくれるのですが、何故か時々ふっと上を向く。
 
私「どうして時々上を向くんだろうね?」
D「何か降ろしてるんでしょ」

 巫女か!
 油断すると機械の体から魂が抜けていってしまうの……?

 人間のアナウンサーはそんな仕草しない。
 自然な動きを追求しているのか、アンドロイドの不思議さを強調したいのか。

 オトナロイドという成人女性型のアンドロイドはかなり近付いて見ることが出来ます。
 リアルで美しい瞳と、カクカクした不自然な動きが最高でした。
 押井守監督の映画「イノセンス」みたいな感じ。

私「爆発する直前だね、あの動きは!!」
D「いちいち爆発していたら大変だろう」

 テレノイドという赤ん坊のようなアンドロイドは周りに人が多くて近付けませんでした。
 見た目も動きもかなり気味が悪いのに、楽しく遊べるなんて、みんなすごいなぁ……

 間近で見られたこともあり、オトナロイドが気に入ったな〜
 江戸川乱歩「魔法人形」に出てくる、薬で半分人形になってしまったお姉さんの役をやってもらいたい。
 頭の中で小説とオトナロイドの姿を重ねるとドキドキする。

 他に満喫したのは、
「アナグラのうた 消えた博士と残された装置」
 という体験型展示。公式サイトの説明はこちら

 その空間に入ると、足元にカラフルな丸い生き物みたいなものが映し出される。
 これは自分用に用意されたキャラクターで、手が生えており、私が動くと一緒に付いてくる。
 他の人のそばに行くと、このキャラクターどうしが手をつなぎ、離れる時には手を振る。
 この動きがなかなか可愛い。

 いくつかの装置と対話して情報を渡すと、私のためにボーカロイドが歌を歌ってくれる。
 これが一応、この展示のゴール。
 ここにたどり着くまでに、小学生男子からの妨害を何度も受けた。

 足元の生き物は人と近付き過ぎると消えちゃうのですよ。
 でも男子はそんなこと気にせずダダダダと会場を走り回っている。
 消されるたび入り口近くまで戻って再表示させなきゃいけない。
 先生、男子が! 男子が〜!!

 小学生女子はちゃんとルールをわきまえていて、キャラクターどうしが重ならないようピョンピョン飛んでよけてくれるの。
「男子って脳みそ入ってるのかな……」
 と疑問に思っていた小学生時代を思い出しました。
 
 まあそんな感傷も含めて面白かったです。

 日本科学未来館は全体的に子どものための施設で、大人だけで行くと肩身が狭い。
 どうして科学は子ども優先なのか。
 科学技術のあふれる昨今、科学の知識は老若男女問わず必要だと思うんだが。

 まあその分、子どもたちは何の気兼ねもなく暴れることが出来るので、
「どこか連れてって〜」
 攻撃を受けたお母さん、お父さんはどんどん活用すると良いと思います。
 涼しいしね。

 最寄り駅はゆりかもめの「テレコムセンター駅」
 そこから徒歩約4分。
 ドームシアターなど事前予約が必要なものもあるのでご注意を。

 実験教室(これも事前予約制)があって、
「じーさんがしゃべってるなー」
 と特に注目もせずに通り過ぎたのですが、今調べたらノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士だった。
 そんな名のあるじーさんだったとは。

 実験教室の説明はこちら
 大人もOKらしい。
 申し込んじゃおうかしら。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:40| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年06月25日

山口県長門市空想旅行

 福岡ポエイチには、山口県長門市の「文武蘭(もんぶらん)」というサークルが出展していた。
 文芸で町おこしを目指しているそうで、本と一緒に観光パンフレットも配っていた。
 それを見ているとなかなか素敵な街で、行ってみたくなった。

 一番興味を引くのは何と言っても「麻羅観音」!!

 大内義隆公の遺児が女装して俵山に潜んでいたところ、捕らえられて殺害され、男児であった証拠に男根を切り取られたということです。
 これを哀れんだ里人が霊をなぐさめるために建てたものです。


 とのこと(このページより)
 だからってあんなに並べちゃうのはどうなの。
 精力増強のご利益があるらしい。
 もしDちゃんと一緒に行っても、私だけ性欲倍増させて帰ってくる自信があるよ!!

 青海島の自然研究路も、ゴツゴツと荒々しい形の海の岩を沢山見られるそうで、写真の撮り甲斐がありそう。
 テルマエ・ロマエに出て来そうな古風な温泉街、俵山温泉にも行きたいな。
 俵山温泉と麻羅観音は近いみたいだから、

1日目 俵山温泉に泊まる。
2日目 麻羅観音へ。青海島に行った後、また俵山温泉に戻ってきて泊まる。
3日目 埼玉に戻る。

 という旅はどうかなー
 なんて空想していた…… が!

 長門市へ行くのって、ものすごく大変なのね。
 空港や新幹線の駅からの交通の便が悪くて、検索してみると、乗り換え6回で7時間、乗り換え4回で8時間20分、なんてのが出てくる。
 
 うう、現実に行くのは難しいかなー
 金子みすゞが詠った海や街を見たいのは山々だけれど。
 金子みすゞは青海島の近くの仙崎生まれ。

 それより何より麻羅観音。
 オオ、麻羅観音!
posted by 柳屋文芸堂 at 00:21| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年06月18日

行ってみたらやってなかった

 アトレ上野の「アフタヌーンティー・ティールーム」が閉店していてびっくり!!
 美術館の帰りに友達と一緒に寄ったりして、便利に使っていたのに〜
 これからはどこで食べよう。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:55| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年05月03日

三浦三崎港ぶらりマグロ旅

 今日は友人のよいこぐまさんに案内してもらい、神奈川県三浦市の三崎港でお散歩してきました。
 京浜急行電鉄久里浜線の終着駅、三崎口(みさきぐち)からバスで20〜30分くらい。
 今日はゴールデンウィークで渋滞していたから、いつもはそんなにかからないのかもしれない。

 待ち合わせが昼時だったので、まずは腹ごしらえ。
 三崎水産物地方卸売市場の2階にある「三崎食堂」へ(サイトはこちら
 市役所みたいに殺風景な建物なのですが……

 ここのマグロが本当に美味しいの!!

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 マグロかま塩焼き定食とどちらにしようか悩んだ末、三崎鮪三昧定食に。
 タタキ、なめろう、刺身、煮こごり。
 表面を焼いたものがタタキで、タタキみたいなのがなめろう(ややこしい)
 あと写真には入ってないけと、マグロ汁、サラダ、ご飯、しぐれ煮も。

 大興奮の無我夢中でツマまで綺麗にいただきました。
 絶対また行く! 他のメニューも食べる!
 同じメニューだってもう一度食べたい!!
 この店、最高です。

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 市場を上から眺められる場所もありますが、

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 こんな張り紙が。

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 社会科見学で小学生が来るようです。

 港では小さな船が頻繁に行き来していました。
 奇跡のように素晴らしい天気。

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 埼玉女を落とすにゃ鉄砲は要らぬ 海見せて美味い魚食わせりゃ良い♪

 三崎港の近くには、昭和の雰囲気を残した小さなお店が沢山ありました。
 古道具屋さんや器屋さん、そして個性的な喫茶店。

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 これはその中の一つ、雀家のプリン。

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 自然光の中でゆっくりおしゃべり出来て、幸せでした。
 喫茶店は何軒もあり、食事も美味しそうなの。
 満腹なのが悔しいっ 胃袋が足りないよ〜

 通いつめたい、と真剣に思った。
 自宅からほぼ3時間かかるんですが……

 ミサキドーナツというお店でドーナツを買って、すぐそばの海南神社へ。

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 木々が厚く生い茂っているのに、不思議と暗さのない神社でした。
 ずっと雅楽が聞こえるのも面白い。
 ここで立ったまま激しく創作談義。
 情熱が有り余っていていつもすまん>よいこぐまさん

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 途中で見かけた謎のお店。
 イタコ?

 ミサキプレッソというお店でりんごジュースをおごってもらい(遠くから来たので)、バスで三崎口にもどり、今日のデートは終了。
 名残惜しい……

 前回は三浦海岸に行ってそれも思い出深いのだけど(その時の記事はこちら)三崎港も大好きになりました。
 三浦、ブラボー!!
 よいこぐまさん、本当にありがとうね〜

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posted by 柳屋文芸堂 at 02:42| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年04月05日

六義園(りくぎえん)

 今日は友人と一緒に駒込の六義園に行ってきました。
 柳沢吉保(よしながふみ「大奥」の影響で、頭に美女しか浮かばない)が作った庭園です。

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 私は小石川後楽園や旧芝離宮恩賜庭園など、東京の箱庭的自然が大好き。
 大自然に行けない都会の人間の、切なさが詰まっている感じがするから。

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 さすが歴史ある場所だけあって、樹も太くて立派。
 どの幹も個性的で美しかったなぁ。
 桜はかなり散っちゃってました。

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 そして、最も感動したのは、リアル「花より団子」!!

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 花見の時に団子を食べたのは生まれて初めてだと思う。
 楽しいひと時でした。

 道は舗装されておらず、前日の雨で少しぬかるんでいたけど、あちこちにムシロを敷いて歩きやすくしてあるの。
 江戸っぽい……!!

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2014年03月23日

森林公園

 あたたかくなって来たので、久々に森林公園(埼玉県比企郡滑川町)へ行ってサイクリングして来ました♪

 これから真夏になる前まで、なるべく多く通いたいなー と思っています。
 私もDちゃんも運動不足なので。
 特に仕事で忙しいDちゃんが! と思っていたら私の方がへばってた。
 久々だったから上り坂がキツくて……

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 これはサイクリングコースの途中で見つけた大量の鳥の巣。
 カラスかなぁ。
 げげげ、という鳴き声が聞こえた気がするんだが、ヒナの声?

 森林公園では様々な種類の鳥の声が聞こえる。
 聞き分けられると楽しいのに。
 iPhoneに入れた広辞苑で鳥の名前を調べると声も聞けるので(全部じゃないのが残念)これで勉強しようかな。
posted by 柳屋文芸堂 at 21:57| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年03月21日

地方都市のRPG化

 地方都市へ行くと、シャッターの下りた店や、「テナント募集」の紙が貼られた空っぽの建物が目立つ。
 アーケードが長くて立派な分、大きな街の中身がスカスカ、という印象を受ける。
 人口減少に街が追いつけなかったのだろうか。
 最初の都市計画がおかしかったのだろうか。

 日本の街はどうしてイタリアのアマルフィみたいになれないのだろう、とつい考えてしまう。
 アマルフィはナポリに近い海辺の街で、日本人の感覚からすると恐ろしく小さい。
 中心部は端から端まで歩いて5分もかからない感じ。
 RPGに出てくる、行っても行かなくてもストーリーに影響のない街、みたいなのを思い浮かべていただければ。

 それでも、ものすごく賑わっているのである。
 観光客や土地の人や馬が細い道をすれ違い、店も客が多くて活気がある。
 常に誰かがコーヒーを飲み、買い物をし、楽しそうにおしゃべりしている。

 アマルフィの人口は約5000人(Wikipediaより)で、店の数も少ない。
 アマルフィは小さいが、濃密な街なのだ。

 ああいうのをコンパクトシティって言うのかなぁ。
 コンパクトシティ化、なんて言うと分かりにくいから、
「みんなでRPGの小さな街を作ろう!」
 と考えてみたらどうか。

 アマルフィは本当に、店のおじさんに主人公をくっつけて「話す」を選ぶと、あれこれ教えてくれそうな雰囲気。
 実際に本屋のおじさんは親切だった。
 ホテルのおっちゃんは無茶苦茶だった……(こんな風に

 人が街に求めるのは、人なんじゃないか。
 幸せそうな人をいっぱい見て、自分も幸せになったり。
 大勢わいわい集まっている、その中の一人、になったり。
 
 東京はデカい上に賑わっているが、あれは異常なのだ。
 地方は無闇に店を増やしたりしないで、地方の人口に合った街を作った方が良いと思う。
 簡単に言うな、と怒られるかな。

 もしそれが難しいのだとしたら、何がネックになっているのだろう。
 誰がそんなに店を作っちゃうんだろう。

 人のいない商店街を足早に通り過ぎたりすると、寂しくなるからさ……
 旅行者の勝手な要求と知りつつ、書いてしまいました。
posted by 柳屋文芸堂 at 02:31| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年03月19日

初九州♪

 6月に生まれて初めて九州に行きます!
 福岡ポエイチというイベントに参加するのです〜

 短い滞在だし、博多駅周辺だけ観光しようと思っていたのですが、ガイドブックを見たらどこもかしこも東京みたいで、行きたい所がなかった(すみません)
 駅ビルやショッピングモールはもうお腹いっぱいなんだよ……
 
 そんな訳で、柳川まで足を延ばすことにしました。
 もっと遠いかと思ったら、特急に乗れば50分弱なのね。
 憧れの地、柳川……!

 私にとって柳川といえば檀一雄の故郷なのだけど、柳川市はとにかく北原白秋を押している。
 「柳川の偉人」の中にも入ってないし……
 まあ檀一雄はあちこち移動しまくって土地の人という感じじゃないから仕方ないか。
 でも檀一雄のエッセイの中で、柳川は特別な場所として描かれている気がするんだけどな。

 どんこ舟に乗ってお堀めぐりもしたい!
 梅雨の時期だから雨かなぁ。

 あれこれ考えるのが楽しくて楽しくて。
 憧れの九州〜♪ ららら〜♪
posted by 柳屋文芸堂 at 01:15| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年02月01日

nachu caféと楽風

 お友達が連れて行ってくれたカフェを二つご紹介。

【nachu café(ナチュカフェ)】
 茨城県つくば市の、田んぼやレンコン畑(沼)の続く広々とした場所に、唐突に存在するカフェ。
 外観は古いアパートのようで、友達の紹介でなかったら入店をためらったと思う。
 個人の部屋の入り口みたいなんだもの。

 でも中は、おしゃれカフェだった。
 パリで修行してきたシェフとパティシエが作っているので、料理・お菓子ともに味が上品。
 と言っても気取った感じじゃなく、素材の味を活かしている。

 正直、味よりも外観と店内のギャップの方が印象的だった。
 水戸にも美味しい店が多かったし、茨城、侮れないな……
 つくばエクスプレスの「つくば駅」から車で15分くらいです。
 紹介記事で分かりやすかったのはこちら

【楽風(らふ)】
 お茶屋さんがやっている、和風カフェ。
 JR浦和駅から徒歩10分くらいのところにある。
 明治24年築の納屋を改装したそうで、どっしりした瓦屋根や民家風の庭など、落ち着いた雰囲気。

 メインは日本茶で、お湯が用意してあるので何杯も飲めます。
 居心地が非常に良くて、2〜3時間ここでしゃべっていた。
 この店の紹介記事はこちら

 浦和の人は食にうるさいらしく、
「美味しくない店は自然につぶれちゃう」
 とのこと。
 経営する方にとっては恐ろしい街だな……
 行く側としては「当たりが多くなる」訳で、羨ましい。

 こういう個性的なお店を大事にしたいですね。
 連れて行ってくれてありがとう♪
posted by 柳屋文芸堂 at 23:28| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2014年01月25日

富山日帰りブリ紀行

 旅は不思議なきっかけで始まる。

 何故あの時、駅のパンフレット置き場を覗こうと思ったのか、分からない。こまめにチェックしている訳ではないし、そもそもその時、旅行の予定は全くなかった。

 キャンペーンでもしているのか、そこには北陸地方を紹介するための冊子がそろっていた。福井・石川・富山。
 私は北陸へ行ったことがなく、深い憧れを抱いていた。特に富山は、大好物のホタルイカの産地だ。ぜひ旬である春に訪れてみたい。

 私はそれらのパンフレットを家に持ち帰った。これを読んで、脳内旅行に出るのも悪くない。
 夕食後、Dちゃんの横で富山の冊子を開いた。

「いつかホタルイカを食べに行きたいんだよねー 今は寒ブリが旬なのかー お寿司美味しそう! 食べに行っちゃう?」
 私はDちゃんに写真を見せた。
「行こう!」
「……え?」

 Dちゃんは腰の重さでは誰にもひけを取らない男である。おまけに(これが大きいのだが)仕事が殺人的に忙しく、たとえ休日があっても体を休めるのが第一で、出かけようという気分にはなかなかならない。その気持ちはよく分かるから、行きたい所があってもあまり強くは誘えないのだ。

 それなのに、今日のDちゃんの積極的な様子は何だ。何なんだ。
「ちょうどお寿司を食べたいと思ってたとこだったんだよねー」
 人生はタイミング!!

 当初、富山へ行くとなったら泊まりだろう、と考えていた。新幹線一本で着ける場所ではない。地方の電車は本数が少ないから、乗り換えを繰り返すと朝から晩までかかってしまう。

「泊まりは無理だなぁ」
 とDちゃん。
「朝早く出ることになっても良いから、日帰りにしたい」
 ネットの路線情報で調べてみると、やれないことはない。富山での滞在時間は少なくなるが、目的はブリだけなのだ。食事をして土産を買う、まあ三時間もあれば十分だろう。

 仕事の状態を見ながら行く日を決め、前日に電車のチケットの予約をした。
 春のつもりだったのに、冬。ホタルイカだったはずが、寒ブリ。自分でもいまいち事態をつかめないまま、人生初の富山旅行である。

2014年1月24日(金)
 いきなり大失敗から始まった。
 朝早く起き、最寄り駅から予定していた電車に乗る、までは良かった。
 大宮へ向かう電車に、何故か乗り遅れちゃったのだ。路線情報の検索結果の通りにやったのに……

 仕方ないので新幹線と特急の予約をキャンセルし、一本遅らせて予約を取り直した。全部DちゃんがiPhoneで。便利、だけどキャンセル料が発生したらしい。うう、もったいないことした。
 路線情報を妄信しないで余裕を持たせて予定を組もう。反省。

 時間は遅くなったがルート変更はなし。大宮駅から上越新幹線「MAXとき307」に乗る。ここから越後湯沢駅までは50分。あっという間。何でこんなに短く感じるのだろう、と考えて、毎週三味線のお稽古に行く時に、もっと長時間有楽町線に乗っていることに気づく。
 越後湯沢駅なんてちょろいぜ!

 新幹線を降りると、そこは雪国であった。あちこちにこんもり雪が積もっていて、その下には凶器になりそうなつららが大量に垂れ下がっている。気温もかなり低く、寒い。

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 太平洋側と日本海側の気候の差に驚く。富山もこんな感じなのだろうか。二人とも雪対策などしていない。関東にいる時と全く同じ格好だ。
「滑らない靴で来れば良かったなー」
 とDちゃん。

 越後湯沢駅からほくほく線の特急「はくたか4号」に乗る。これがけっこう長くて、乗り換え駅の高岡まで2時間強。

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 富山出身の立川志の輔が、この線をこう揶揄していたのを覚えている。
「『ほくほく線』なんて名前なんですけど、ちっともほくほくしない!」
 大雪で電車がまともに動かなくなり、なかなか富山にたどり着けず困った時の話だった。そんなにも止まりやすい電車なのかと不安だったが、今日は大したトラブルもなく高岡に到着。

 それもそのはず、富山には雪が無かった。新潟はあんなにも白かったのに、どこで消えたのか。途中カーテンを閉めてしまったので、境目は不明。

 高岡駅前でタクシーに乗る。運転手さんの話によると、
「この時期にこんなに雪が降らないのは異常」
 とのこと。気温も高く、カーラジオが、
「3月中旬の気温です」
 と告げている。

「今日は立山連峰が綺麗に見える」
 と運転手さんが窓の外を指差す。厳かな山々。雪の白が作る角ばった稜線が美しい。
「いつもはもっと曇ってて、こんな風にはっきり見えるのは珍しいですよ」
「今日が初めてだから、毎日こう見えるのかと思っちゃいました」
「いやいや、本当に見えない」

 その運転手さんはおしゃべりで、正直ちょっと相手をするのが面倒だったのだけど、立山連峰の景色の貴重さを教えてくれたので感謝したい。

 最終目的地、寒ブリで有名な氷見(ひみ)漁港に到着。予約しておいたお寿司屋さん「きよ水」はそのすぐそばだ。
 個室に通してもらい、お寿司がやって来るのを待つ。

「タクシーの運転手さん、藤子不二雄が富山出身なのを自慢してたね」
「でもそんなに言うならちゃんと覚えていてやれと思ったよ」
「え?」
「『藤子不二雄Aと藤子不二雄B』って言ってた。Bなんていない」
「よく聞いてるね、Dちゃん……」

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 お寿司はブリだけじゃなく、おまかせで12貫。これにみそ汁が付く。
「うわぁ、目が合っちゃった」
「目?」
 みそ汁を飲んでようやく意味を理解した。ブリのあらと一緒に、エビの頭が3つ入っているのだ。つやつやと潤む、黒いつぶらな瞳。

 寿司はウニとイクラが美味しかった。ブリもあったが印象は薄く、みそ汁の具になっているものの方が味わい深かった。

 会計を済ませ、散策マップを見て気になっていた場所に向かう。
「ブリの遊具」
 ブリたちが遊ぶためのもの、ではなく、ブリの形をしている人間用の遊具だ。

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↑ブリの口から何か出てる、ように見える。

 この辺りは何もかもブリである。

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↑ブリ小僧。顔が西洋人。ブリュッセルの小便小僧がブリを持っているのだろう。

 氷見漁港の近くをぶらぶらし、大きな橋(比美乃江大橋)を渡る。この上からも立山連峰がよく見える。例年通りの気温なら、冷たい海風に耐えられなかったと思うが、幸いにして今日は異常なあたたかさ。結果的に、関東にいるのとそう変わらない。

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↑立山連峰は写真に撮るのが難しかった。真ん中に一応うっすら。

 橋を渡り切り、氷見漁港場外市場「ひみ番屋街」へ。ここは魚と土産物を中心としたショッピングモールだ。

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↑ひみぼうずくんがいる。当然ブリを抱えている。

 一応一周した後、気になった店(きときと亭 三喜)に入り、ブリ大根を注文してみた。
 テーブルにやって来たのは、濃い飴色に煮込まれた素敵な大根と、ブリのあら。

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「骨も食べられますから」
 と店員さん。ふむふむ、と骨を口に含む。あれ? 硬いじゃん……
 ぱりん
「んーっ!」
「どうした?」
「んーっ! んーっ!」
「驚いたことは伝わるんだけど……」

 大きめの骨が、口の中で一瞬にして粉々に崩壊したのだ。そしてそれが、予想以上に美味しかった。
「この旅行で得た結論。ブリは加熱した方が本領を発揮する!」
 ま、好みの問題かもしれない。

 本当はここでブリを買って帰りたかったのだけど、どの店も売り切れだった。一匹丸々、ならあったが、さすがにそれは多い。仕方なくホタルイカの干物などを買って建物を出ることにした。

 乗る予定の電車の出発まではまだ時間がある。
「じゃあ街を抜けて氷見駅まで歩こうか」
 氷見市内に藤子不二雄Aの生家があることから、忍者ハットリくんのキャラクターで飾った道があるという。そこを辿ったのだが……

「人が全然いないねぇ」
「商店街なのに」
 シャッターを閉じた店。商品が見えていても人の気配がない店。壊れて落ちてきそうな看板。根元が錆びて折れる寸前の柱。
 何よりほとんど誰も道を歩いていない。車だけがびゅんびゅんと過ぎ去ってゆく。
 街そのものが眠っているみたいだ。

 地方都市に行くたび、こういう物寂しい風景を見ることになる。人口が減っているせいだろうか。近くにイオンでもあって客がそちらに行ってしまったのだろうか。「ひみ番屋街」は観光客で賑わっていたのだけど。

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↑雪国らしい

 氷見駅に着き、電車の発車時刻まで駅前の「とまとカフェ」であたたまる。ここでコーヒーを飲んでいると、高校生が次々に揚げ物を買いにくるので面白かった。スカートの下にジャージを履く、あの懐かしい感覚!!

 電車に乗ったら、車内は高校生でいっぱい。近くに高校があるのね。眠る街が、眠るだけじゃないことを知り、少し救われる。

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 高岡駅ではぶり寿司と、かぶら寿司を購入。特急「はくたか21号」に乗る。
 行きの特急は普通車が満席で、グリーン車だった。
「ふかふか〜 立派な人になったー!」
 と喜んでいたのも束の間。足を載せる台や首を支えるクッションが体のサイズに合わず、全然心地良くないことが判明。体を休めようとするとエビのように丸まってしまう。仕方ないので背もたれに寄りかからず、前かがみでこの旅行記を書いていた。

 文章が進んだのは良かったけど、せっかくグリーン車なのに休めないってガッカリだ。
 帰りは普通車。グリーン車より体型に合っていて楽だった(何てこと……)でもやっぱりこの旅行記を書いていた。

 夕日を浴びた立山連峰が目の前に迫る。山肌の雪がほんのり珊瑚色に輝いて、本当に美しい。
 いつもの旅は、
「別の目的があったのに、最終的に食うことがメインだった」
 というパターンが多い。
 今回はその逆で、
「ブリが目的だったのに、立山連峰ばかり眺めていた」
 富山に来る前は立山連峰のことなんて1ミリも考えなかったのに。

 旅は本当に不思議だ。

 9時前に無事自宅に到着。
 日帰り富山旅行、やろうと思えば出来ちゃうんですねぇ〜

(富山日帰りブリ紀行 終わり)
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