2011年08月06日

魔法をすてたマジョリン

 ミュージカル初体験してきました〜
 子ども向けの作品だし、正直そんなに期待してなかったのですが(友人に誘われて見にいった)
 いや〜 面白かった!

 テーマは、愛・勇気・優しさ・思いやり……
 子どもの頃の私だったら、たぶん、
「ケッ」
 と馬鹿にして感情移入出来なかったと思う。

 子どもの頃は、人間の汚い部分が知りたくて仕方なかった。
 大人たちが「綺麗なもの」ばかり見せたがっているのを、ひしひしと感じていたから。
 嘘つくんじゃねえよ。
 本物出せよ。
 いつもそんな気持ちで、不可解な世界をにらみつけていた。

 しかし私はもう34歳(オバサン……)
 人間の汚さによって実際に傷つけられた経験もあるし、
 人間の美しさによって苦しみから救われた経験もある。

 そうなってみると、やや絵空事めいたストーリーも、純粋に楽しめるようになっちゃうんですねぇ。
 いやー 大人になって良かった。

 結局のところ、子どもというのは「汚さ」から守られていると同時に、本当の「美しさ」からも隔離されているのかもしれない。
 だからイラ立つ。腹が立つ。
(そんな子どもお前だけだ! と言われるだろうか。
 確かに人の話を聞くと、けっこうみんな素直な子どもだったらしいんだよね〜
 忘れてるだけじゃないのか?)

 愛・勇気・優しさ・思いやり100%の物語だったら、私みたいな子どもはとても劇に集中出来ない。
 でもこの「魔法をすてたマジョリン」の秀逸なところは、「汚いこと大好き」な魔女が出てきて、前向きな思想にいちいちツッコミを入れるのだ。
 夢の世界で一人正気を保っていて、彼女が舞台に安心感を与えている。
 「反ミュージカル」的な存在が、ミュージカルを成立させている。

 この物語、「反ミュージカル派」と「ミュージカル派」が戦う話としても見られるな……
 なんてニヤリとしたり。

 役者さんの印象では、まず主人公(マジョリン)の若奈まりえさんの歌の上手さに驚きました。
 ミュージカルなんだからあったりまえだろ! と怒られるかしら。

 あと、ツッコミ役魔女(ニラミンコ)の神保幸由さんの演技が歌舞伎っぽくて面白かった。
「拍子木! 今んとこ拍子木は?!」※
 と頭の中で何度叫んだか。
(※正確には拍子木ではなく「ツケ」 床に置いた板を、拍子木のような棒で打ちます)

 やっぱり生の舞台は良いですね。
 力を直接渡してもらえる。
「元気が出ないな〜」
 と思ったら、まず一番に試してみるべき薬だと思います。
posted by 柳屋文芸堂 at 04:15| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2011年02月06日

茂山千之丞さんが!

 狂言師の茂山千之丞さんが、昨年の12月4日に亡くなっていた!!
 全然知らなかったよ。情報遅過ぎ。油断した〜
 千作じーちゃんのことばかり気にしていて(何しろ現在91歳)まさか千之丞さんの方が先に、なんて。
 87歳だったそうです。

 お兄さんの茂山千作さんが「福の神」のような、天上の芸風を持っているのに対して、
 弟の千之丞さんは地上の、「人間」のにおいを感じさせる役者さんだった。
 当主となることを決められている長男とは、また違った苦労をしたからかもしれない。
 いつも狂言の枠を飛び出して、自由に、大活躍していた。

 茂山家はファンサービスがものすごく、なんとなんと、千之丞さんと近くでお話ししたことがあるのです!
 狂言開演前にロビーで様々な企画が用意されており、千之丞さんをぐるりと囲んで、
「狂言についての質問をいくらでもどうぞ」
 というコーナーがあったのです。

 ちょうど私は放送大学で狂言の卒論を書いている時で、なかなか分からなかった「狂言のはじまり」について尋ねました。
 千之丞さんは、
「それを知っている人は誰もいないんです」
 と笑ってから「自分はどう考えているか」を丁寧に説明してくれました。
 舞台衣装や和服ではなく、胸がキュンとするような、お洒落な洋服姿でした。

 千之丞さんの舞台を直接見ることはもう出来ない。
 でも、録画したものなら永遠に!
 狂言のDVDってけっこうあるんですよ。
 私は図書館で借りて見ました。

 今、手に入るものだと、
「京都大蔵流 茂山千五郎家 狂言への招待」
 というのがAmazonの最初の方に出てきますね(欲しい……)

 千之丞さんの本だと、
「狂言役者―ひねくれ半代記」
 というのが好きです。
 Amazonでは中古しか買えませんね。絶版なのかな?

「茂山千五郎家のおまわり」
 という本はさらに入手が大変そうだ(Amazonでは出てこない)
 千之丞さんの豆腐料理レシピや写真が載っています。

 2月5日に「冥土へもそろりそろりと参らばや」というお別れの会があったそうです。
(私が知ったのはこのニュースから)
 献花台の上でミラーボールが回り、舞妓の京舞や落語なども披露される華やかな会だったとのこと。

 87年も生きて、観客をいっぱい笑わせ、元気にしてきたんだもの。
 シクシク泣いたりしないで、
「ありがとう!!」
 と拍手して送り出すのが似合っている。
 
 本当に長い間、みんなをニコニコさせてくれて、
 ありがとうございました!!
posted by 柳屋文芸堂 at 22:44| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2010年08月28日

東海道四谷怪談

 ニラ豚キムチをチャッチャッチャ〜と炒め、
「あたためて食べてね」
 とメモを残し、行って来ました東銀座。
 八月花形歌舞伎の第三部「東海道四谷怪談」へ!!
 またまた当日券があったのよ〜 わーい♪

 一番印象に残ったのは、伊右衛門(お岩さんの亭主)の悪人っぷり。
 お茶の名前にしていて大丈夫か?!>サントリー
 (こっちは由来が違うみたいだけど)

 江戸時代にここまで悪徳の美を描くなんて。
 うっとりしちゃったよ。
 エライ人に叱られませんでしたか?>鶴屋南北先生
 
 伊右衛門役は市川海老蔵。
 ああいう「いかにもな主役顔」をあんまり褒めたくないんだけどさ〜
 今回ばかりはすごく似合っていて、格好良かったです。
 なんか悔しいぞ!

 実を言うと私は、登場人物が多い因果物語が苦手。
 河竹黙阿弥とか、ジョージ・ルーカスとか。
 この四谷怪談もその傾向が強くて、
「突然出て来たあんたは誰?!」
 と困惑することがたびたび。

 でもどうにか大筋はつかめました。
 とりあえず、お岩さんが伊右衛門を恨んでるのよね!(←本当はもっと複雑な話です)
 
 歌舞伎って、音楽や舞踊や絵画など、お客さんを楽しませるものをありったけ詰め込んである。
 そのサービス精神が最も強く表れているのが「イリュージョン(奇術)」のような演出。
 四谷怪談にはその手の有名なシーンがいくつかあり、一番驚いたのは「提灯抜け」
 あれ、本物の火を使ってるよね??

 CGが発達した現在、映像で何を見せられても「不思議さ」は感じない。
 でも、目の前の舞台に炎が浮かんだだけで、
「おおっ?!」
 って目を見開いちゃうんだよね〜
 あの衝撃は、江戸時代の客と全然変わらないと思うんだ。

 黒御簾音楽(三味線や唄によるBGM)もしっかり雰囲気を盛り上げていました。
 ああ、これでまたしばらく家事を頑張れます。
 歌舞伎よ、本当にありがとう!!
posted by 柳屋文芸堂 at 02:24| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2010年08月21日

京鹿子娘道成寺

 今日(8/20)は、この夏一番の贅沢をして来ました。
 歌舞伎を、一等席(前から4列目!)で見たのです。
 わーい♪ わーい♪

 会場は建替工事中の歌舞伎座から移って、新橋演舞場。
 今月は第二部に「京鹿子娘道成寺」が入っていて、どうしても行きたかった。
 でも、いつ何時、
「すぐ来てー!」
 と実家から呼び出しがかかるか分からない。
 事前にチケットを取るのは不安だった。

 そんな訳で、当日券を狙うことに。
 新橋演舞場に幕見は無いんだよね。
 もし入れなかったら、写真展を見に行こう。
 しょんぼりしちゃだめよ、のり子。
 と言い聞かせながら東銀座を歩く。

 チケット売り場に着くと……
 おおっ
「まだあるんですね?!」
「一等席のみですが」
「いいです、いいです。やったあ〜!!」
 値段は高いけど、全然惜しくない。
 ずーっと憧れていた演目だもの。
  
 「京鹿子娘道成寺」は歌舞伎舞踊の代表作で、映像では何度も見ている。
 しかし、生で見たことはなかった。
 この間、三味線でも習ったし、もう居ても立ってもいられなくて。

 まずは「暗闇の丑松」という現代劇に近い感じの作品。
 ストーリーがちょっとねちくどかった。
 久々に獅童ちゃんの姿を拝めたのは嬉しかったなぁ〜
 おっちょこちょいの若者の役をやらせると、ほんと、パーッと光るよね。
 包丁振り回して大暴れして、すぐに反省するの。
 可愛いなぁ。

 休憩をはさんで「京鹿子娘道成寺」
 歌舞伎って、たぶん「役者の演技」を楽しむものなんだと思うのですが……
 実は私、演技やストーリーより「音楽」に興味があるのです。
 三味線を始める前からそうだった(というより「それで三味線を始めた」だな)

 「京鹿子娘道成寺」は唄・三味線・囃子の人たちが最初から最後まで舞台に出ているものだから、気になってしょうがない。

 笛の人、笛持ち替えた! 高音激しい! ステキ!
 三味線のクレッシェンド、すげー小さい音からいったー!(←私はこれが出来ない)
 あっ、鼓の皮、舐めてる!(同じ皮を数百年舐め続けているってほんとかな)

 ってな具合。
 踊りの盛り上がりどころは音楽の盛り上がりでもあるので、どこ見たらいいのか。

 他の観客がみんな花道の海老蔵に注目しているのに、私の視線は舞台右はじ(まるっきり反対方向)で床を打つ拍子木のお兄ちゃん(※)に釘付け。
 カッコいいんだもん〜
 バタバタバタッ! バタッ! って隙のないリズムだった。

 白拍子花子の一人舞台のようなイメージでしたが、大勢出てくるお坊さんたちもけっこう活躍するのね。
 しゃべり方が狂言そっくり。
 セリフも踊りも面白かった。

 引抜(=ひきぬき。瞬間的お色直し)の糸を抜く動作も、前の方の席だとよく見える。
 もうもう、大満喫いたしました。

 一等席は意外と空席があったので、チケット取ってない人も、見たいと思ったら一応行ってみると良いと思います。
 あきらめないで!

 夜の部の四谷怪談も見たかったなぁ〜
 来週また当日券狙ってみようかしら……

※正確には拍子木ではなく「ツケ」と呼ぶそうです。床に置いた板を、拍子木のような棒で打ちます。
posted by 柳屋文芸堂 at 01:53| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

歌舞伎座幕見、初体験!

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 歌舞伎というのは一日に一つの公演をやるのではなくて、沢山の演目(歌舞伎座3月は7種類)が上演されます。
 「幕見」というのはその中の一つ(もしくは一部分)だけを見ること。
 歌舞伎座にしかないようです。
 チケットの前売りはなく、当日券で入ります。
 (詳細はこちら

 「幕見」の存在は前から知っていたのだけど、
「行ってみて、見られなかったら寂しいしなぁ」
 と挑戦したことがありませんでした。
 でも今回、どうしても見たい演目があって、チャレンジ!!

【やり方】
1、銀座に用事を作る。
 (入れなかった時ガッカリしないために。今回はGR BLOG写真展でした)
2、歌舞伎座のホームページで、上演時間と、幕見席当日券の発売開始時間を調べる。
 (3月はこれ
3、「追い返されても泣かないぞ」と心に決めて、東銀座駅に向かう。
 (3番出口を出て目の前です)

 正面入口の左側に、「一幕見自由席御入口」というのがあります。

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↑上演後に撮影。上演前は列が出来ます。

 私は当日券の発売開始時刻のちょっと前くらいに並んだのですが、問題なく入れました。
「こ、こんなに簡単なの?! 何で今までやらなかったんだー!!」
 と後悔したほど。
 立ち見でしたけどね。
 人気の演目だと、長時間並ばないとダメだったりするのかもしれません。

 幕見席は、4階。
 エレベーターやエスカレーターは無し。階段も急。
 お年寄りや足の悪い人は、けっこう辛いと思います。

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 舞台の見え方はこんな感じ。分かるかな。
 天井がすぐそばです。

 下の方の席より外国人観光客がいっぱいいて、驚きました。
「君たち、通だね!!」
 と心で呼びかけ。
 確かに旅行者には非常に便利な制度ですね。
 ガイドブックに載っていたりするのかな。

 今回私が見たのは「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」
 上演時間は15分ほどで、料金は800円。
 一番の目的は、役者の演技が始まる前の、珍しい三味線演奏。
 台の上に片足を乗せて、立ったまま弾くのです!!
 (普通は座って弾きます)

「『THIS IS IT』の女性ギタリストみたいな感じですか?!」
 と興奮して三味線の先生に言ったら、
「残念ながらそこまで激しくはない……」
 とのこと。

 確かに、正面から風を浴びて、髪を逆立てたりはしていませんでした(そりゃあな)
 でも、十分格好良かったです!!
 演奏の後、かけ声がかかってました(何屋だっけ……?)
 三味線奏者にかけ声がかかるのなんて、初めて聞いた気がする。

 私も、
「ブラボー! ブラビッシモ!!」
 と叫びたかったです。
 
 劇の方も、華やかでしたよ(と完全におまけ気分ですみません)
 石川五右衛門の話です。
 短い時間に歌舞伎らしさが詰まっているので、銀ブラついでにちょこっと見るのにちょうど良いと思います。

「歌舞伎座がなくなっちゃう前に行きたい! でも事前に予定を空けられない! チケット取るのが大変!」
 という人は、幕見に挑戦してみてはどうでしょうか。
 おすすめです。

 そうそう、大きく見たい人はオペラグラスを用意してくださいね〜

R0021326.JPG
↑幕見についての説明看板。クリックすると読めるはず。
「心の休息所」というのが良いですね。

(GR DIGITAL公式ブログ トラックバック企画 街 に参加)
posted by 柳屋文芸堂 at 01:42| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2010年01月19日

志の輔らくご in PARCO

 電話でのチケット取りに失敗した「志の輔らくご in PARCO」
 別の方法で席をいただくことが出来ました。
 ありがたいことです。

 実を言うと、落語の日の午前中は、叔父の追悼式でした。
 前にも、友達のお父さんが亡くなって、葬式の後に小朝の落語を見に行ったことがあったな〜
 どっちも「意図せず」ですよ。
 葬儀も落語もそうたびたび行くものじゃないのに、何故重なるのか?!
 
 人生は泣くばかりじゃなく笑え、笑うんだ。

 というお告げでしょうか。

 まあとにかく午後に一度家へ戻り、夜、渋谷へ。
 こんな複雑な気持ちのまま集中出来るかな〜 と心配でしたが。
 志の輔師匠はやはり偉大でありました。

 落語家の特長は様々で、雰囲気作りが上手いとか、味があるとか、女の役が妙に色っぽいとか、子供の役がやたらにリアルとか、ほんと、人それぞれ。
 立川志の輔の一番すごいところは、やっぱりあの、創作能力なんじゃないかな。
 新作落語をあれほど面白いと思ったのは初めてだ。

 落語でも歌舞伎でも狂言でも、やはり古典は時間によって純化されていて、完成度が高い。
 新作は、
「なんか、余分なところが多くな〜い?」
 と感じてしまいがち。

 でも新作には、
「今、現在を生きる人が、本当に求めているもの」
 をたっぷり入れられるという利点がある。

※ここから少々ネタバレが入るので、これから行く人は読まないでください。




 最初の「身代わりポン太」は、
「金の不足を物語で補ってしまおう」
 という村おこしの話。

 前々から、地域振興と物語には深い関わりがあるなぁ、と思っていたので、興味深かった。
 例えば浦安なら「青べか物語」(ディズニーじゃないんです!!)川口なら「キューポラのある街」と、地域を代表する物語があって、何かというとそれにすがる。
 最近流行中の「萌えおこし」も似たところがありますね。「らき☆すた」とか。

「ただ一冊の本が、ずいぶん力を持つものなんだな」
 と不思議に思っていました。

 「身代わりポン太」はそのマジックの仕掛けを、面白く、かつ本質的に種明かししてみせた作品。
 これは絶対、古典では出来ないと思う。
 今作って、今やらないとね。

 新作二本の後は古典落語「中村仲蔵」
 歌舞伎役者、初代中村仲蔵が、逆境の中で、
「誰もやったことのない演技」
 を生み出してゆく物語。

 もうこれが、力強い良い話で!!
「私も、誰も書いたことのない小説を書いてやるぞ!!」
 と鼻息荒く帰宅しました(単純)
 
 ライブの素晴らしさは、
「エネルギーを直接いただきます! ごちそうさまでした!!」
 となれるところですよね〜

 いやはやしかし、一日に色んなことがあり過ぎて、頭と心がパンパン。
 まだ全然、処理し切れてない。
 寒かったから風邪もひきそう。

 という訳で今日は休養。
 のんびりおうちでこんな文章を書いているのでした。

 明後日か明明後日くらいから、頑張るぞ。
 お〜(弱々しく)
posted by 柳屋文芸堂 at 14:34| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2009年12月08日

引窓 鼠小僧(十二月大歌舞伎)

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↑人の顔を写さないようにしたら、苦しい角度に

 Dちゃんと一緒に「歌舞伎座さよなら公演 十二月大歌舞伎(夜の部)」に行って来ました。

 やっぱり良いねぇ、演劇!!
 生身の人間が演じることで生まれる、力強い空間。
 目の前で繰り広げられるその出来事は、「見る」というより「体験する」という言葉がふさわしい。

 最初の演目「引窓」で印象に残ったのは、義太夫(物語を語る方)の三味線。
 登場人物の心情を、こんなにも細やかに表現出来るのか、と驚きました。
 一音一音が感情の粒になって、客席に届く。
 猛烈に格好良かった。

「あの三味線の人、のりより上手かったね」
「は?! 当たり前でしょ!!」
「のりの三味線はいつも音が外れているから、邦楽ってそういうものなのかと思ってたよ」
「そんな恐ろしい勘違いを……!」
「今日の三味線は気持ちよく聴けました」

 邦楽に関わる全ての人に向かって土下座したいです。
 ほんとすみません。

 「野田版 鼠小僧」は野田秀樹が演出した現代劇に近い歌舞伎。
 現実と虚構とウソがくるくると入れ替わっていく様が面白かった。

 特に冒頭。
 背中がゾクゾクした。
 ネタバレするのも悪いので具体的な展開は書きませんが……
 うーんとね、映画「未来世紀ブラジル」を思い出す感じ。 
 あの工夫で、作品の世界へすっと自然に吸い込まれた気がする。

 野田秀樹の劇(現代もの)はビデオで見たことがあったのですが、いまいち意味が分からなかったのです。
 何だか大勢でわーわー騒いでいるだけのように感じてしまって。

 今回の「鼠小僧」も、ものすごい大人数が一気に色んなことをする。
 激しい動き。
 早口なセリフ。
 そのテンポの良さ。
 この魅力は、生で見てこそなんだなぁ、と思いました。

 Dちゃんは歌舞伎初体験。
 劇だけでなく、歌舞伎座の建物自体にも感動していました。
「こんな珍しい建物を壊しちゃうなんてもったいないね」
 と。
 内装は綺麗だけど、基礎部分が老朽化してるのかな。
 なるべく今のままの姿を残して欲しいものです。

 そうそう、幕間に一つの幕の内弁当を二人で分けあって食べたのも楽しかった♪
(売り場で最後の一個だったのだ)

 演劇って、日程を見て、予定を合わせて、チケットを取って、(かなり高額な)お金を払って……と、実際に味わうまでに色んな面倒がある。
 行きたい時にフラっと行ける他の娯楽(映画や美術)にくらべると、けっこう大変。
 でも、やっぱり何ものにも代え難い力があるんですよね。
 現代演劇・伝統演劇どちらでも良いから、ぜひまた近いうちに見に行きたいです。

(GR DIGITAL公式ブログにトラックバック)
posted by 柳屋文芸堂 at 11:06| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

チケットとれ太

 今日はひっさびさに電話でチケット取りをしました。
 なかなか大変ですね〜
 間違えて一回、実家に電話かけちゃったよ。
 つながる前に切ったけど。

 努力の甲斐あって、十二月大歌舞伎に行けることになりました♪
 久々の歌舞伎!(六年ぶりくらいかも)
 久々の歌舞伎座!!
 そしてたぶん、最後の歌舞伎座。
 
 さよなら公演なんて絶対チケット取れないわ、とあきらめかけていたのだけど、勇気を出して頑張って良かった。
 10:00から受付で、12:20頃つながりました。
 ずっとかけ続けた訳ではなく、家事の合間にちょこちょこと。
 そのせいか安い席はなくなっていたけれど……

 でもいい!
 何しろ今回はDちゃんと初歌舞伎デートなのだ!

 もう今から楽しみで仕方ありません。
 わくわくわく〜♪
posted by 柳屋文芸堂 at 23:27| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする

2008年06月29日

ミュージカル落語『オペラ座の怪人』

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 三遊亭亜郎さんのミュージカル落語、『オペラ座の怪人』に行って来ました。
 写真は公演前に行ったダヤンカフェのティラミス&紅茶。可愛い〜♪
 なんと、待ち合わせに30分も遅刻しました。本当にごめん!!>えりかさん

 ミュージカル落語を見るのは初めてだったので、一体どんなものだろう、とドキドキ・ワクワクしていたのですが、いや〜 期待を裏切らない面白さ!! 歌と落語が心地よく混ざっていて、両方の長所が生きていました。落語の語りの軽やかな状況説明と、ミュージカルのカタルシス。劇団四季とプロ落語の世界で鍛えただけあって、どちらも上手い!

 オペラ座の怪人の出生から死後までを描くので、落語より講談の方が近い感じでしたね。ミュージカル版も映画版も見たことのない私は、相違が分からないのですが、ロマンチックで素敵な話でした。
 オペラ座オタクのえりかさんによると、どのバージョンでも怪人がダメ男である点は変わらないそうです。素晴らしい!!
 見世物小屋の親方を殺すシーンが、すごく好き。これは乱歩の文体で読みたいぞ。

 しかしここのところ立て続けに、
「醜悪な顔→ぎゃあ!」
 の流れがあって初めて成立する物語を、読んだり見たりしたなぁ。
 異形の者ってそんなに恐ろしいんですかね? すぐ慣れちゃう気がするんだけど。何かのメタファーなんだろうか。

 顔はへのへのもへじだろうと何だろうと構いませんが、劣等感があるのは良いですよね〜
 コンプレックスとトラウマがそろって、人間は完成するのです!
 そんな訳で、私だったらラウルじゃなく、即座に怪人を選ぶんだが。
 その前に怪人が私を選ばないよな。美人じゃない上にえらい音痴だ……
「あのオリジナリティあふれる歌い方!!」
 とかって見初めてくれないかなぁ。

 ミュージカル版や映画版が好きな人はもちろん、どちらも見逃した私のような人でも十分楽しめるので、機会があればぜひどうぞ。12月にまたやるそうです。私は11月の「文七元結」が見たいなぁ。
亜郎さんの公式ページ
posted by 柳屋文芸堂 at 23:26| 演劇・演芸 | 更新情報をチェックする