2017年08月22日

映画「パルプ・フィクション」感想

 主題曲の「Misirlou」が格好良いな〜 と前から思っていたので見てみました。



 不思議な映画だった。
「そんなことしたら危ないよ! 死んじゃうよ!」
 とハラハラさせる人は死ななくて、
「えっ、そこで?!」
 と驚くような場所でサクサクっと重要な人物が死んだりする。

 時間の流れの編集が凝っており(単純に過去→未来とは進まない)最初に見た時にはよく分からなかった部分が、二回目で意味が分かってプッと笑ったり。
 意図的に徹底的に馬鹿馬鹿しい話を積み上げていて、ブッチの金時計の来歴が特に可笑しかった。
 そんなくだらないものに対して真剣になるブッチの様子も。

 色んなことが起こるのだけど、バタバタした感じはしない。
 最近の映画は上映時間を短くするためにエピソード一つ一つを出来る限り詰めたようなのが多くて、これくらいのゆったり感が許される世界であって欲しいなぁと思った。
 何かが起きる瞬間だけでなく、何も起きない間の動きも、映画にとっては大事な気がするんだ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 19:28| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年08月07日

映画「ほしのこえ」感想

 新海誠監督の初期作品。
 これを一人で作ったという点に狂気を感じる。

 登場人物の顔があまり上手くない・戦闘シーンが迫力に欠ける等々ツッコミどころは沢山ある。
 しかし日常を当たり前のものとはせず、そこで触れる風景や自然現象を慈しむように描いているのは「言の葉の庭」「君の名は。」と全く同じ。
 ちゃんと美しい。

 恋し合う男女の隔て方に「君の名は。」と共通する部分があり、もうこの頃に種はあったんだ〜 と感心した。

 三作見て、新海監督は自分が最も得意な、他にない要素をしっかり伸ばしていったのだと、よく分かった。
 私も(才能の規模が全然違うけど)見習いたい。


 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:24| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年08月05日

映画「言の葉の庭」感想

 新海誠監督の2013年公開作品。
 「君の名は。」が好みに合っていたので、過去作でがっかりしたらどうしよう、と心配していたのだけど、これはこれでステキな作品で良かった。
 小説家にたとえるなら、エンターテインメント作家の初期の純文学作品を読んだような気持ち。

 雨の日の不愉快さと美しさ、空気の湿り気、影の濃さ。
 憧れの女性の足の指に触れるエロス。

 どう考えても万人受けしなさそうな世界で、この次の作品が「君の名は。」ってすごいなぁ。
 共通点は色々あるのに、見ている人の心の揺れ方がずいぶん違うよね。
 どちらが良い悪いではなくて「言の葉の庭」は繊細、「君の名は。」は大胆。
 「言の葉の庭」の方が好き、という人もきっといると思うな。

 舞台が新宿御苑だったのが嬉しかった!
 結婚前にDちゃんとデートしたよ〜
 映画も恋も、特別ではない場所を特別に思うようになるんだね。


 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:24| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年08月02日

映画「君の名は。」感想

 ようやく見られたよ〜♪
 映画館でやっている内にDちゃんと一緒に見たかったのだけど断られちゃって、何となく一人で行くのも寂しく、借りられるようになるのを待っていたのでした。

 大ヒット作なので内容についてあちこちで見聞きすることが多く、でも一番肝心な部分は知らなかったから、
「えっ? あっ! そういうことだったのか!!」
 と楽しむことが出来ました。事前にネタバレに触れないの大事ですね。

 私が最も心打たれたのは、東京という街が非常に美しく描かれていたこと。
 まるで震災か何かで東京が壊滅して、失われてしまった風景を懐かしく思い出しているよう。

 母が生まれ育って、Dちゃんといっぱい歩いた東京が、私は大好きなんだなぁ。
 そんなことを改めて感じた。

 実際に行ったことのある場所も沢山出て来て、うぉぉ、となったのはバスタ新宿!!
 よくあれ間に合ったね。映画公開の少し前まで工事現場だったと思うんだが。
 国立新美術館のカフェもミュシャ展の時にDちゃんと入ったよ!

 泣いたのは、サヤちんが放送で避難して欲しい地区の名前を読み上げる場面。
 災害が起きると、全然知らない土地の名前が次々とニュースで流れる。
 あの人たちもこんな風に助けられたら良かったのに、という祈りのようで、自然と涙がこぼれた。

 忘れたくない「君の名」は、瀧にとっての三葉、三葉にとっての瀧であると同時に、人生の中で出会ったり知ったりすることになる、あらゆる人の名前でもある気がする。
 見た後で、人や場所が愛おしくなる映画だった。

posted by 柳屋文芸堂 at 10:46| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年07月21日

映画「最強のふたり」感想

 これもちょっと合わなくてなー
 フィリップは首から下が動かなくなったことで男としての自信をなくし、だからこそ自分を障害者としてではなく「男の欲望を持った者」として扱うドリスに心を開く。
 そういう男のプライドの描き方は興味深く、面白かった。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:57| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

映画「天然コケッコー」感想

 私にはいまいち合わない映画だった。
 メインとなる少年・少女の恋が、不器用な恋なんだろうけど、不自然な恋に見えてしまって。
 やりたいことは分かる。でも、なんかー! と不満が残った。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:44| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年07月11日

映画「太陽の下で」感想



 北朝鮮の少女を追ったドキュメンタリー。
 ……なんて当然普通に撮れるはずもなく、少女とその家族は北朝鮮側が用意した脚本・監督に従って「理想の生活」を演じ始める。
 真実を写すために、その演出の様子を隠し撮りすることに。

 具体的には、プロパガンダ映画にメイキング映像が混ざっている感じ。
 北朝鮮政府が考える理想の国民がどんなものなのかは伝わってきたけれど、北朝鮮の人々の実態はあまりよく分からなかったな〜

 少女の両親の仕事を「工場勤務」に変えるというのが興味深かった。
 何かを生産している方が共産主義的で好ましいということなのだろうか。

 少女と両親は演技を始める前、どんな暮らしをしていたのだろう。
 今現在、元気にしているのだろうか。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 18:57| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年07月09日

映画「ピアノマニア」感想

 ピアノの調律師の仕事を追ったドキュメンタリー。
 音色へのこだわりが強いピアニストの無茶な要望に応えようとしたり、ピアノを使う芸人コンビにネタを提供したり。
 調律師はピアノの「音程」を合わせるだけではなく、もっと幅広く音楽に関わるんだなぁと。
 この映画に出てくるシュテファンさん(スタインウェイ社の技術主任)が特別なのかもしれないけど。

 途中で古楽器のクラヴィコードの演奏を聴けたのが良かった。
 親密で、人間的な愁いを含んだ音。
 これと対比することで、ピアノが生み出す音楽の、暴力的なほどの華やかさがより強く感じられた。

posted by 柳屋文芸堂 at 00:28| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年06月28日

映画「69 sixty nine」感想

 私は「69 sixty nine」の原作が大好きなので、
「映画なんて無理無理、絶対ムリ!」
 と思っていたのだけど、「怒り」で妻夫木聡と李相日監督に興味を持ったので見てみました。

 原作を読んでから25年ほど経ち、内容を程良く忘れていたので、そんなに違和感なく楽しめました。
 男子高校生の日常や妄想の、馬鹿馬鹿しく笑える部分を大切にして映像化されていて、ホッとした。
 この物語の一番好きなところだから。

 何しろ全編で使われている長崎の方言が可愛い!
 星野源がとんでもない役で出ていてびっくりした。
 原作でも非常に印象的な場面で、さすがにここは忘れてなかったよ。

 新井浩文がだらしない番長役をやっている。
 「フランケンシュタインの恋」でさんざん見た後だったからウケた。

 「怒り」と同じように妻夫木聡の母親役が原日出子で、
「(怒りの)優馬は若い頃、こんなにお母さんに苦労かけたのね……」
 と、全然違う話なのに勝手につなげてじーんとしてしまった。
 お父さん役の柴田恭兵も格好良くてステキです。

 多くの物語が「酷いことを言ったりやったりしても許されてしまう登場人物」を求めていて、そういう役を演じられる俳優は限られており、妻夫木聡は良くも悪くもそこにピタッとハマってしまう存在なんだなぁと。
 ゲイでもノンケでも、モテる・愛されるという特徴から「逃れられない」
 本人としてはもうちょっと幅広くやってみたいんじゃないかと思うのだけど。

 妻夫木聡の容貌と演技は、観客の感情を加速させる。
 この長所は、悲しみより喜びに対して使って欲しい。
 「69 sixty nine」のケン役はからりと明るく、見ていて愉快な気持ちになる。
 あのtoo sweetな笑顔を見たら、どんな悪さも全部チャラになっちゃうよねぇ。

 そうそう、下ネタだらけなので苦手な方はご注意を!

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posted by 柳屋文芸堂 at 13:51| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2017年06月27日

映画「悪魔の手毬唄(1977年版)」感想

 「犬神家の一族」の方がテンポが良くて好みだったな。
 同じ原作者・監督でもずいぶん違うものですね。
 田舎の閉鎖的な雰囲気は良かった。

 「犬神家の一族」にも出て来た三木のり平と沼田カズ子夫妻、最高ですね!
 奥さんが無愛想に写真を投げる場面、この映画の中で一番好き。

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posted by 柳屋文芸堂 at 18:50| 映画・映像 | 更新情報をチェックする