地震が起きた時(午後2:46頃)、私はラジオを聴きながら、洗濯物を片付けていた。
クラシックの番組が中断されて、警報が鳴り響く。
「緊急地震速報です」
その後に続いた地名が、全部東北地方だった。
こっちは関係ないのかな? と考え込んだ次の瞬間、グラッときた。
慌ててテーブルの下にもぐる。
かなり強い。しかも長い。家のあちこちでバタン、ガコンと物の倒れる音がする。
このままさらに激しくなるのか?
建物が倒壊するほどになるなら、じっとしているより、外に出た方がいいのだろうか。
「まじで〜! どうしよう〜!」
一人きりなのについ叫んでしまう。
ラジオでは東北地方に対して、津波に注意するよう繰り返している。
関東でもこれだけの揺れなのだから、震源近くはひどいことになっているだろう。
それにしても、緊急地震速報というのはすごいものだな。
地震の前に教えてくれるんだから。
次からは考え込まずに、警報が鳴ったらすぐに安全な場所に移動しよう。
たとえ震源から遠くても、被害が出る可能性はあるのだから。
揺れは弱まるが、消えず…… 家中がガタガタと小刻みに震え続け、それが大きくなったり、小さくなったり。
これが噂に聞く余震というものか。
なかなかテーブルから出られない。
一時間も経たないうちに、
「飽きたー!!」
恐怖を感じたのは最初の数分だけで、あっという間に揺れに馴染み、さらに飽きる。
人間って、いつまでも深刻な気持ちではいられないものなのね。
私の神経が粗雑過ぎるだけかもしれない。
余震と余震の合間を狙って、ノートパソコンをテーブル下に持ってきた。
おお、ネットに繋がるじゃないか。
DちゃんからPHSのライトメールが届く。お互い無事を知らせあう。これも問題なし。
友人の携帯にもメールを送る。これも問題なし。
しかしPHS、NTTともに、電話は全く通じない。
母と伯母たちの無事が確認出来ない。
うーむ、こういう時のためにも、メールを覚えて欲しいんだよな。
数時間後、ようやく余震が弱まってきたので、買い物に行くことにした。
夕飯の材料をまだ買ってなかったのだ。
しかし、スーパーの中が妙に暗い。
ん?
「地震のため閉店します」
いやーん。私、のんき過ぎた?!
普通に営業していると思ってたよー!!
Dちゃんからは、
「今日は帰れないかも」
という連絡が来ていた(都内の電車が全て止まっていたから)
それでも夕飯作って待っていたかったのになー
というか、私も食わねば。
帰宅して冷蔵庫を開けると、キムチと納豆があった。
ビン詰めの鮭とクサヤもある。
停電になっていないから、ご飯も炊ける。
チーズもジュースもあるし、ミネラルウォーターも8本ある。
何だこの家。ほとんどパラダイスじゃないか。
結局、炊きたてご飯に鮭とキムチと溶けたチーズを載せて食べ、トマトジュースを飲みました。
いざという時のために美味しいものをそろえておくと、便利ね。
今回はガスも水道も電気も止まらなかったので、どんな料理も作れた訳ですが(材料さえあれば)
本当の「いざという時」のために、調理せずに食べられるものを用意しておくのは大事だなぁ、と思いました。
Dちゃんは会社で乾パンが配られたそうですよ。
午後8:00頃、ようやく実家への電話が繋がった。
「お母さん、大丈夫?!」
「何が?」
「何がって…… 地震に決まってるでしょ!」
「あー ゆんら、ゆんら、長いこと揺れてるなーとは思ってたけど、東京大空襲に比べれば大したことないわよ」
すぐ爆弾と比べるんだから。
「最初の地震はすごかったでしょ?」
「寝てた」
私より神経の粗雑な人がここに……!!
「仏壇が倒れてきたりしなかった?」
「大丈夫よー 物も人も何も倒れてないわよー」
何なんだ、あの家。
結界でも張っているのだろうか。
まあ無事で何よりだ。
後で調べてみると、私の住んでいる千葉県北西部は、震度6弱あったそうです。
今も余震が続いていて、この記事を書いている間も何度かテーブルの下にもぐりました。
Dちゃんもまだ帰ることが出来ず、会社に留まっています。
こんなに簡単に離れ離れになってしまうのか。
こういう時こそ一緒にいたいのに。
でも今は、生きているだけでありがたい。
posted by 柳屋文芸堂 at 23:57|
地元(千葉・埼玉)ネタ
|