2015年09月30日

物理学科の大学院生の思い出

 私が通っていた物理学科には実験の授業があって、その指導をしてくれた大学院生の話が今でも心に残っている。

 何を研究するか決めるのが一番大変。
 それさえ決まれば半分出来たようなもの。
 物理学に関する本は大量にあって、全てを読むわけにはいかない。
 研究するものが決まれば、読むべき本も決まる。

 というようなこと。

 小説書きも、どの話を書くか決めるのが一番大変かもしれない。
 小説のアイデア(書きたいストーリー、設定、登場人物、舞台、場面、等々)は割と簡単に思い浮かぶ。
 その中で、
「自分の能力の範囲内で書けて、書く価値のあるものはどれか」
 を考え、最善のものを選ぶ。
 望み通りに書くために、参考になりそうな本を読んだり、必要な準備をしたりする。

 本当にどうでも良いけどこの大学院生、いつもカウボーイみたいな服を着ていた。
 同じクラスの女子(かなりの美人)はこのカウボーイに足をもませていた。
 実験室では物理実験だけしましょうね……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:19| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年09月03日

洗面台を祝祭空間に!

 急に秋風が吹いて何だかアンニュイ、アンニュイくらいならまだ良いけれど、それを通り越して気が滅入ってる、というようなそこのあなた!!
 洗面台を祝祭空間にしてみませんか?!

 やり方は簡単!
 蛇口を外すのです…… とここまで書いて画像検索したら、普通の蛇口だとやれないことが判明(すまん)

 うちの洗面台の蛇口はシャワーヘッドになっているのですよ。
 これを外すと通常下に流れる水が、横に噴き出るようになる。

 加減して水を出せば、いつも通り水道として使える。
 しかしヘッドを外していることをうっかり忘れ、勢い良く水を出すと、
「ヒャッハー!」
 お腹のあたりがびしょ濡れに!!
 床ももちろんビシャビシャに!!

「ギャーッ 忘れてたー!」
「うわー やったー!」
 とかDちゃんと大騒ぎして、楽しかったねぇ。

 今年の夏の思い出でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 01:30| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年05月14日

女の体

 女に生まれて良かった、と思うのは、堂々と女湯に入れることです。
 私は女でありながら、女の人の体に憧れを感じている。
 性的に興奮するのではなくて、豊かさとか郷愁とか、何とも言えない切ないような気持ちになる。

 これまでで一番綺麗だったのは、高校時代、部活の合宿中に風呂場で偶然見ることになった、Y先輩の裸だ。
 学年ごとに入浴の時間は決まっていたはずで、先輩が遅かったのか私が早かったのか忘れたけれど、先輩は突然入ってきた私に驚くこともなく、ゆったりと髪を洗っていた。
 先輩の体は均整が取れていて、肌は全身真っ白で、目に焼きつくほど美しかった。

 男性向けのポルノのような、媚を売る裸は好きじゃない。
 自分の肉体の価値に気付いていない、もしくはすっかり忘れ去っている、無防備な女の体が好きだ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 22:50| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年02月25日

恋と友情とカップ焼きそば

 たまにDちゃんが家でカップ焼きそばを作ることがある。
 熱湯を注いで3分待ち、容器を傾け流し台にお湯を捨てると……
 ふわわわ〜ん、と家中に独特の香りが満ちる。
 すると私はタイムトラベルするように、高校の部室に行ってしまうのだ。

 どんだけ焼きそば臭かったんだよ、あの部室。
 完全に染み付いてたね。
 花も恥じらう乙女たちが10人ぐらい集まって、カップ焼きそばやカップラーメンをズルズルすすっている風景が、まるで昨日のことのように心に浮かびます。

 これが私たちの青春の香りだったんだ。
 うーん……

 別にムダに間食していた訳ではなく、午後の合奏に備えての昼食です。
 楽器の演奏は腹が減る(吹奏楽部)

 私は今も昔もインスタント麺をあまり好まず、部室では伯母(小)や母が作ってくれたおにぎりを食べていました。
 ぬか漬けのきゅうり(自家製)が付いていて、美味しかったな。

 時代考証に使う人がいるかもしれないから書いておく。
 この頃(1990年代前半)はまだ小さいペットボトルは普及していませんでした。
 高校生が食事と一緒に飲むのは缶か紙パックだったはず。

 私は「日本盛」のペットボトルに飲み物を詰めて持っていっていた。
 時代の最先端を走っていたのさ。

「師匠(←私のあだ名)は家に伝わる謎飲料を飲んでいる」
 と噂されていたと、大人になってから同級生に聞いた。
 ただの緑茶だよ!

 あれ? おかしいな。
 恋と友情の話を書くつもりだったのに。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:23| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年02月04日

スゥさんの思い出

※パキスタン人がみなこういう考えとは思わないでください。
 あくまで個人的な体験談です。

 母と一緒に働いていたパキスタン人のスゥさん(←あだ名)は、アメリカが大嫌いだった。
 たまたま手にしたボールペンにデザインとして星条旗が印刷されているのに気づき、それを投げ捨てるほど。

 スゥさんはある時、
「柳田さんは広島に行ったことがあるか」
 と母に尋ねた。
 バイト暮らしで経済的に楽ではなかったはずなのに、スゥさんはわざわざ埼玉から広島まで行き、原爆のことを勉強してきたのだ。

「行ったことない」
「行かなきゃダメだ! アメリカにこんな酷いことされたって、もっと憎まなきゃダメだ!」

 スゥさん。
 あなたの目の前にいるおばあさんは、9歳の時、アメリカ軍が落とした爆弾で家を焼け出されました。
 それでも爆弾と戦争だけを憎んで、アメリカ人を憎んだことは一度もありませんでした。

「スゥさんも、日本語が完璧に分かる訳じゃないし。
 言葉がちゃんと通じれば、もっと色々話せたんだけど」
 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:27| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

Dちゃんと変人先生の思い出

 風邪はどうにか押さえ込むことに成功したようです。
 睡眠をしっかり取れる日で助かったぜ……
(平日でDちゃんが深夜残業だったりすると寝不足になって悪化しやすい)

 さて、風邪とは何の関係もなく、年末に思い出した話。

 大学4年の時、所属していた研究室で忘年会があった。
 そのことを(まだ恋人ではなく友だちだった)Dちゃんに話したところ、
「衛生的でしたか?」
 と返された。

「楽しかった?」
 とか、
「料理は美味しかった?」
 じゃないかね、このシチュエーションで言うべきセリフは。

 理由は一応あって、調理器具を提供してくれたのが学科内一の変人先生だったのだ。
「新聞に載っている記事を全て読もうとするとなかなか読み終わらない。3年前の新聞をまだ読んでいる」
 と言いながら、新聞でパンパンになったリュックサックをしょってヨレヨレの服でウロウロしている人だ。

 ある時、職務質問され、
「大学教授です」
 と答えたら警察官は全く信じてくれなかったとか。

 ここまで書いて懐かしくなり、自分の大学のホームページを見たら、彼の写真を見つけた。
 2010年に退職されたようで、その時の送別会の様子(これ

 他の先生方はみな立派な格好をしているのに、彼だけどうして終電を逃した人みたいなの。
 彼の威力で唐突に駅のホームになる送別会会場。
 私が在学していた頃と全っ然変わってなくて爆笑しました。

 写真から5年経っているけど、お元気かしら。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:06| 思い出 | 更新情報をチェックする

2015年01月09日

異物混入

 30年以上前の話。
 私はたぶん幼稚園児だったと思う。

 イカの形をしているお菓子があるでしょう。
 カリカリして、けっこう硬いの。
 あれを食べていたのです。
 そうしたら、食感がいつもと違う。

「お母さん、何か、伸びるよー」
「イカだからでしょ」

 そうか、と思って噛もうと思うが噛み切れない。
 ???と思って口を離すと、イカから輪ゴムが出ていた。

 母もようやく娘の危機に気付き(イカだからでしょ、じゃねーだろ!!)
 情熱的な苦情の手紙を添えて、食べかけ・輪ゴム入りのイカを製造元に送ってくれた。

 しばらくするとその会社から、お詫びの手紙とともに、ダンボール箱いっぱいのお菓子が送られてきた。
 輪ゴム入りを作った会社のものをその直後に大量に食べるってどうなの、と今なら思うけど、特に気にせず美味しくいただいちゃった気がする。

 おそらく食品への異物混入は日々あちこちで起きているのだろう。
 報道されるものと報道されないものは何が違うんだろうね。

 そう言えば子どもの頃、毒入りのお菓子のことはよくニュースになった。
(グリコ・森永事件。グリコと森永は被害を受けた側なのでご注意を)
 毒じゃなきゃセーフ、の時代だったのか。
posted by 柳屋文芸堂 at 00:39| 思い出 | 更新情報をチェックする

2014年12月28日

魔女と錬金術師

 同じ理系でも、物理学科出身と薬学部出身ではずいぶん雰囲気が違う。
 薬局で働いていたことがあるので、薬剤師の知り合いが何人かいるのだけど、みな現実的で常識的な人ばかりだった。

「大学では資格を取ろう」
 と堅実に生きていくための決意をした人と、
「大学では真理を追究しよう」
 とあやふやなものに向かって突っ走ってしまった人の差である(私は物理学科出身)

 そんな真面目な薬剤師さんの一人から、プラシーボ効果というものを教えてもらった。
 薬としての成分が含まれていないニセの薬でも、
「〇〇に効きますよ(例:痛み、不眠)」
 と言って処方すると、症状が改善することがある、という話。

 おそらく彼女は、プラシーボ効果で治った患者さんを実際に見たことがあったのだろう。
「本当に効くんだよ!」
 と、茶目っ気たっぷりの笑顔で言った。

 その様子を見て、
「薬剤師というのは一見まともそうだけれども、やはり魔女の末裔なのだな」
 と思った。
 暗示で病気を治しちゃうなんて、ほとんど魔法じゃないか。

 そう言えば大学時代、一般教養で法律を教えていた先生に、
「あなたたちは時代が時代なら錬金術師です」
 と言われたのを思い出す。
「社会とは相容れない変人です」
 とも(その点は昔と変わってない)
posted by 柳屋文芸堂 at 01:38| 思い出 | 更新情報をチェックする

2014年10月21日

男の娘

 大島薫の写真を見てはニヤニヤしている。
 写真集欲しいけど、あんなにエッチな内容じゃなくて良いんだよな……
 普通の格好で普通に笑っているだけで大満足だよ。
 普通と言っても、女装だけど。

 大学1年の時、恋人(Dちゃんではない)を女装させたら、周りの人たちがメチャクチャ引いてびっくりした。
 そりゃ大島薫みたいな美女じゃなかったけどさー
 似合うかどうかに関係なく、楽しいじゃん、女装!!

 それは約20年前。
 男の娘なんて言葉のない時代である。

 早過ぎたんだ。
posted by 柳屋文芸堂 at 02:27| 思い出 | 更新情報をチェックする

2014年06月16日

大人たちが隠していること

 小学3年生くらいの頃、性教育の本を読みあさっていた。
 世の大人たちが「何か大事なこと」を必死で隠しているのにはかなり早くから気付いていた。
 私は不明なものをそのままに出来ないタチだ。
 どうにか核心に近付こうと、図書館に通った。
(行動パターンが今と全く変わらない……)

 大人たちが隠しているのは「性」というものに関係する物事らしい。
 私は子供向けの本の棚にあった、女の子向けの性教育の本を読んだ。

 女性の体には卵巣というものがあり、ここで卵子が作られます。
 卵子と、男性の体で作られる精子が結びつき、受精卵というものになります。
 受精卵は子宮で赤ちゃんに育ちます。
 受精が行われなくても子宮は赤ちゃんを育てる準備をしているので、毎月ベッドがはがれ落ち、月経というものが始まります……

 ふむふむ。
 私は理科好き少女でもあったので、女性の体の構造を知るのは面白かった。
 ただ、これは大人が隠している「真ん中」じゃない。
 私は図書館の司書のお姉さんの所へ行き、自分の読んでいた本を見せた。

「これの『男の子向け』はどこにありますか?」

 お姉さんは少々気圧されつつも、ちゃんと目的の本を見つけてくれた。
 男性の体には睾丸というものがあり……
 まあ月経が精通に変わるくらいで、結局のところ、書いてあるのは「体の仕組み」だ。
 これもやっぱり「真ん中」じゃない。

 あまり覚えてないのだけど、子供向けの性教育の本で性交はどのように説明されていたのだろうか。
 時代によっても変わるだろうが、私が子どもの頃はあまりはっきり書いてなかった気がする。
 たとえ体位のことまで事細かに説明されていたとしても、やはり私は納得しなかっただろう。

 私が一番知りたかったのは「男と女を性交までたどり着かせる力」だ。
 「女の子向け」と「男の子向け」の間の空間を、一体何が埋めるのか。

 その力は時に愛と呼ばれたり、性欲と呼ばれたりする。
 大人たちは「完全に理解した上で内緒にしている」のかと思っていた。
 でも本当にそうだったのだろうか。
 我々は大人になり、その力の本質を知っただろうか?
posted by 柳屋文芸堂 at 00:14| 思い出 | 更新情報をチェックする