2017年10月01日

読響「第200回 土曜マチネーシリーズ」感想

 すっかり日が経ってしまったけれど、9月16日(土)にダニール・トリフォノフのピアノを聴きに行ったことを書いておかなければ。
 ずっと憧れていたロシアのピアニスト。
 時間を作れるか分からなかったので事前にチケットは買わず、当日券で入りました。
 席種や料金を気にしなければけっこうやれるものですね。

 彼が演奏したのはプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番。
 パンプレットに載っていた初演時の新聞記事が面白かったので引用します。

「鍵盤のほこりを払っているのか、もしくは鋭くドライなタッチでめちゃめちゃに叩いているのか、どちらかだった。聴衆はどう判断すべきか、さっぱりわからなかった……」

 トリフォノフさんの演奏も、まあ、おおむね、そんな感じ……
 私は彼のショパンを聴いてファンになったので、正直もうちょっと甘く歌うようなタイプの曲をやって欲しかった(名古屋のリサイタルではショパンやチャイコフスキーを弾いてくれたらしい。良いなー)
 しかしもう21世紀なのだし、本人だっていつまでも「若手ピアニスト」ではいられない。
 難しいこと(難解な曲を聴かせる、伝える)に挑戦していくのは素晴らしいと思うし、これからも応援したいと思った。

 アンコールはプロコフィエフ「シンデレラ」よりガヴォット。
 こちらは彼一人による演奏でした。

 会場は池袋の東京芸術劇場で、基本的にはトリフォノフさんのコンサートではなく交響楽団の演奏会。
 読響(読売日本交響楽団)の「第200回 土曜マチネーシリーズ」

 スッペの喜歌劇〈詩人と農夫〉序曲は聴いていてニコニコしちゃうような楽しい曲だった。
 劇本体は失われており、ストーリーさえ分からないそう。
 「君の名は。」は忘れられて「前前前世」だけが残っているような状態ですよ。
 失われたストーリーを想像出来るのも、素敵なことですよね。

 ベートーヴェンの交響曲 第6番〈田園〉、何で今さら田園、ではあるのですが(さんざん聴いたという印象がある)いや何度聴いても良い曲ですね。
 爽やかで気持ちの良い演奏で、この曲のレコードに惑溺したという高村智恵子を思いながら目を閉じ、響きに身をまかせていました←寝ていた訳じゃないよ!

 ラジオでは毎日のようにクラシック音楽を聴いていますが、やはり生演奏は良いですね。
 音の幅、特に低音が全然違って、耳ではなく体全体が音に包まれる。

 演奏会の後、ホールの入口近くでトリフォノフさんと指揮者のコルネリウス・マイスターさんのサイン会が。
 私は疲れているところさらに疲れさせたら申し訳ないという気がして少し離れたところから見ていたのだけど、マイスターさんがメチャクチャ格好良くてびっくり! ウィーンのお菓子を思わせる上品な美男子(ドイツ出身のようですが)愛想も良くて笑顔を絶やさず、あらやだ、おばちゃんトキメいちゃう!

 トリフォノフさんはちょっと気難しい芸術家っぽい雰囲気。
 まあ慣れない異国で移動と演奏会が続いて、ぴりぴりするのが普通だろう。
 それでも時々笑顔を見せていた。

 トリフォノフさんが目の前にいる、というのが現実と思えず、何だかしばらくぼんやりしてしまった。
 次の来日はいつかな〜 楽しみに待ってるよ!!

posted by 柳屋文芸堂 at 13:52| 音楽 | 更新情報をチェックする

2017年09月30日

カクヨムチャレンジカップ参加のお知らせ

 最近、小説投稿サイトの「カクヨム」に過去作をいくつか上げました。
 情熱的なレビューや感想をいただいたりして、古い作品も読んでもらえる場所に出せば、ちゃんと「生きる」んだなぁ、とじんわり感動しています。

 9月29日から10月12日まで、カクヨムチャレンジカップ第2弾というコンテストが開催されており、私は理系ラブコメディ「オカマ先生の恋愛レッスン」で参加することにしました→こちら

 ゲイでオネエの数学教師キミヤと、男も女も好きになったことのないマルちゃんが、美味いメシを食ったりケンカしたりしながら恋をするお話です。
 書いている間、「二人に何を食わせるか」だけを必死に考えていた覚えがあります。
 イタリアンがメインかな。グリッシーニとか。

 期間中、最も多くの読者を獲得した作品1位〜10位に賞金が出るそうなので、この機会に読んでいただけたら嬉しいです。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 13:37| ネット | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

ドイツ風グーラッシュ

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 Dちゃんと一緒にグーラッシュを作りました。
 元々はハンガリー料理で、私たちが見たのはドイツ料理の本に載っていたレシピ。
 豚肉と玉ねぎを炒めて、ニンニクやパプリカパウダーなどを加え、ビールで煮込む。
 すりおろしたじゃがいもでとろみを付けるのが面白かった。

 ネットや本で調べてみると色んなグーラッシュが見つかるため「グーラッシュをグーラッシュにする要素」がいまいち分からないのですが「パプリカパウダーで仕上げる」という部分だけは共通しているようです。

 完成したものを味見したDちゃん、
「へええ、この味はこうやって作るんだ」
 どこかでグーラッシュを食べたことがあって「正解」を知っているらしい。

 私は、
「脳内の味のライブラリーを検索しても出て来ない……」
 どうやら初めての料理みたいです。

 野菜が色々入っているのに甘くなく、ビールの苦みで締まっていて、大人っぽい味だな〜と思いました。
 Dちゃんは、
「もっとまろやかな方が良かった」
 と言うけれど、私は初めてだから比べようがない。

 ヴァイツェンとか別の種類のビールを使えば良いのかな?(今回はラガー)
 舌で異国を感じられて楽しかったです。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:26| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

2017年09月21日

映画「ソング・オブ・ラホール」感想

 パキスタンの伝統音楽の演奏家を中心とするオーケストラ「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」についてのドキュメンタリー。
 彼らを一躍有名にした曲はこちら(最初にピーという音が入りますがすぐ演奏が始まります)
 ラジオ番組のテーマ曲にもなっており、よく耳にしていた。



 ラホールというのはパキスタンの都市の名前。
 豊かな歴史を持ち、ムガル帝国の首都だったこともあるという。
 地理・歴史が苦手なので知りませんでした。ごめんなさい。

 70年代のイスラーム化の波、90年代からのタリバン台頭などにより、パキスタンの伝統音楽は衰退。
 演奏家たちは転職を余儀なくされたが、音楽を愛する気持ちと、父や叔父から受け継いだ文化を守りたいという思いから、密かに演奏技術を磨き続けていた。
 演奏家であることが周囲に知られると蔑まれる。精神的にも経済的にも報われることのない日々。
 国内に発表の場はない。

 それではとYouTubeで世界に向けて発信したところ大ヒット。
 ニューヨークに呼ばれてジャズミュージシャンのウィントン・マルサリスらと一緒に演奏することになる。

 しかし不慣れなこともあり、セッションはなかなか上手くいかない。
 ここの場面はけっこう不安だった。
 対立する文化の架け橋になりたい、父たちが残したものを伝えなければと気負えば気負うほど、演奏家たちはいつもの調子を失っていく。

 本番ではなかなか格好良い演奏になっていてホッとした。
 マルサリスが率いるビッグバンド以上に、その音楽は「ジャズ」である気がした。

 もしかしたら、
「ジャズ的なリズムやメロディーを持った音楽」
 ではなくて、
「虐げられた者の悲しみや、ささやかな喜びがこもった音楽」
 を「ジャズ」と感じるのかもしれない。

 世界に認められたことでようやく「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」はパキスタン国内でも演奏会を開けるようになった。
 苦境にあっても練習をやめなかった彼らに拍手を。


 
posted by 柳屋文芸堂 at 16:29| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

サンダル王

 ちょっとした夏の思い出。
 駅のエスカレーターに乗ったら、動かない。ん? 動いてない。
 人が乗ったら動くというタイプのものもあるがそれでもない。

 仕方ないので普通の階段のように上っていったら、原因が分かった。
 段の間にサンダルが挟まり、まっすぐ立っていた。

私「ということがあって」
D「サンダルを抜いて直そうとする人はいなかったの?」
私「いや、力に覚えのある者はみな抜こうとするんだけどさ、抜けなくて」
D「このサンダルを抜いた者はサンダル王になるであろう!」

 すぐそばに片足だけサンダルを履いているお兄さんが佇んでおり、呼ばれた駅員さんが機械をいじって、サンダルもエスカレーターも元通りになりました。
 ケガがなかったようで何より。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:40| 与太話 | 更新情報をチェックする