2019年09月23日

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その7

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その6の続き)

2019年8月10日
 午前5:00頃に目が覚めた。外はまだ薄暗く、ひぐらしの鳴く声が聞こえる。せっかくなので起き出し、大山寺まで行ってきた。



 石段の一段一段が高い。昨日の登山道もそうだが、大山にある階段はカラス天狗用に作られているのではないか。



 寂れぎみの門前町で、アウトドア用品店の「モンベル」だけが東京・表参道のような雰囲気を出しており、笑ってしまう。



 ホテルの入口にはカブトムシの入った虫カゴがある。子供の頃、近所に住む幼なじみは夏になると両親の田舎へ行き、カブトムシを捕まえて帰ってきた。私の親は東京生まれで、帰省するという経験がなかったから、幼なじみが羨ましかった。
 カブトムシはみな元気に暴れたり蜜を舐めたりしていた。

 朝食後、荷物を整理して部屋を出た。フロントでタクシーを呼んでもらったところ、30分かかると言われた。この待ち時間も考えて予定を組まなければいけないなと思う。

 このホテルはカブトムシだけでなく、掃除機のルンバも飼っている。しわの寄ったマットに立往生するルンバを助けたりしていたら、すぐに30分経ち、タクシーが来た。

 ホテル大山しろがねは従業員さんたちが明るく親切で、3日間快適に過ごせた。
 ありがとうございました!

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その8に続く)
posted by 柳屋文芸堂 at 16:19| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その6

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その5の続き)



 大神山神社奥宮だ。ここから大山寺までの道が、
「インカ帝国の人に改修してもらったら?」
 と言いたくなるくらい、大きさの違う石を並べてガッタガタ。それでもどうにか進み切ると、
「あっ! 天狗茶屋だ!!」
 鳥取のガイドブックで知り、すごく来てみたかったお店なので、偶然見つけられて嬉しかった。私はここできゅうりの漬物とひやしあめ、さらに看板商品の禅バーガーを頼んだ。

 きゅうりの漬物は丸々一本が棒に挿してある。棒アイスを食べるように漬物をかじるのが可笑しい。少しピリッとしてさわやかで、運動の後のおやつとして最高だった。



 禅バーガーは精進料理で、肉や魚を使っていない。弾力のある薄いがんもどきをバンズの代わりにし、具とおこわを挟んである。





 噛むたびに、長いものシャリッ、おこわのフワッ、などさまざまな素材の歯応えを楽しめる。

 元気を取り戻してホテルに帰った。すぐに風呂! 汗でドロドロになった体を洗う気持ち良さ! 夕方だったせいか、大浴場を私一人で独占出来たのも良かった。
 ホテルの夕食は、少量ずつ沢山の種類の料理が出てきて、頑張っているなぁ! と好印象。なすの煮こごりや冬瓜の煮物が美味しかった。



 部屋に戻り、この旅行記のためのメモを書いて、おやすみなさい。

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その7に続く)
posted by 柳屋文芸堂 at 21:49| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その5

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その4の続き)

「僕も山頂ムリだ。膝が笑ってる」
 アブをまくために速度を上げたのが足の負担になったらしく、太ももが震えている。
「助けてくれてありがとう」
「いやいや」

 しかしアブがこんなにしつこく一人を狙ってくるものとは知らなかった。後で調べてみたところ、アブは温度が高く、二酸化炭素を多く排出するものに近付く習性があるという。他の登山者よりオーバーヒートして、ハァハァしっぱなしだったのが、狙われた原因かもしれない。
 アブ除けにはハッカ油が効くという。次に山へ入る時には忘れないようにしよう。



 アブ・いも虫事件を抜きにしても、登りは本当に辛かった。ヨレヨレのフラフラになってどうにか5合目を過ぎ、行者谷別れで今度は急な階段を降りてゆくことになる。ルパン三世のように駆け抜けたらラクそうに見えるが、実際にやったら大ケガだ。



 転落しないよう慎重に進む。息は登りほど苦しくない。鳥や虫の声を楽しむ余裕も出てきた。
 ふと視界が開けた。白い石が敷き詰められた、木のない場所に出た。河原に似ているが、川はないようだ。



 ここでホテルにお願いした登山弁当を食べることにした。時刻は1:00過ぎ。3時間ほど歩いていたのか。

「あっ、ほら!」
「大きい!!」

 黒くて太いトンボが飛び回っている。おそらくオニヤンマだろう。これほど力強く美しいトンボを見るのは初めてだ。
「アブをやっつけてくれないだろうか……」

 白い石の谷を抜けると、またひたすら下り階段が続く。1時間ほど歩いたところで、寺か神社のような古い建物が見えた。



鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その6に続く)
posted by 柳屋文芸堂 at 00:12| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2019年09月21日

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その4

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その3の続き)

2019年8月9日
 早起きしたので近所を散歩してみたら、少し坂道を登るだけで息が切れる。こんな状態で山登りなんて出来るのかしらと不安になった。

 朝食の時にホテルの人が登山弁当を持ってきてくれた。保冷剤付き。ありがたいサービスだ。
 10:00頃、フロントに登山届けを提出し、出発。大山寺の門前町を5分ほど歩いて、登山口に着いた。
 登山客は他にも大勢いる。丸太で作られた階段を登り続けなければならず、一段一段がけっこう急だ。「山歩き」ではなく「登山」なのだと思い知る。



 案の定すぐ息が苦しくなった。
「山頂まで行くのは難しそうだね」
 とDちゃんに言われた。

「行者谷別れで行者コースに進んでも良い?」
「良いよ」
「ごめんね」

 山頂の手前で下山し始めるルートである。それでも行者谷別れのある5合目の先までは登り切らなければいけない。故障を起こしたのにどうしても棄権出来ないマラソン選手のような速度で、一歩一歩上がっていった。日頃の運動不足に加え、湿度が恐ろしく高く、汗が全く蒸発しない。体に熱が籠もり、全身びしょ濡れの状態で動くのはものすごく辛かった。山の神よ、ひ弱な私を、どうか無事に……

「ギャーッ!」
 大きなアブがズボンのひざあたりにくっついている。ハチとハエのあいの子みたいな見た目の、ハチやハエよりデカい昆虫だ。
 刺されたら大変なので、攻撃していると思われないよう、そっとズボンの布を振るってみる。一応飛び立つものの、ブーン、ブーンと私の周りを回ってまた戻ってくる。何度やってもその繰り返し。全然離れてくれない。

「ふぇぇぇん、嫌だよう〜」
 独り言のつもりだったのに、山じゅうに響く大声だったらしく、先に進んでいたDちゃんが下りて来てくれた。
「パーカーを着た方が良いんじゃない?」
 あまりの暑さに脱いで仕舞っていたパーカーを取り出そうと、リュックを背中から下ろす。
「うわぁぁ、こっちにはいも虫がぁぁ!」

 黄みどり色の可愛いやつがリュックの上を元気よく歩いている。どこかから落ちてきたのだろう。リュックを木の葉に近付けてみるが、なかなかそちらに移ってくれない。いも虫は歩き続け、アブは私の周りをブーンブーンと回り続け、いやなんで君たちそんなに私から離れようとしないの……

 別の木の葉にリュックを近付けたところ、好みの葉だったのかようやくいも虫は移動してくれた。しかしアブは場所を変えてもずーっと私だけを狙い続けている。なんで! 他の登山者たちがどんどん私を追い抜かしてゆくのに、どうしてそちらには行かないの……
「ふぇぇぇん、怖いよう、嫌だよう! ふぇぇぇん」

 半泣きの私を見かねてDちゃんがアブを地図ではたき、アブの注意を自分の方に向けさせ、だだだっと山を登っていった。どうやらアブはDちゃんについていったようで、私の周りからはいなくなった。

 ゆっくりゆっくり登ってゆき、しばらく経った後にDちゃんと合流した。アブに刺されなかったと分かりホッとした。

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その5に続く)
posted by 柳屋文芸堂 at 11:09| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする

2019年09月20日

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その3

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その2の続き)

 ガンバリウスでタクシーを呼んでもらい、ホテル大山しろがねへ。チェックインの時、登山に持ってゆくお弁当を頼めるか尋ねたところ、大丈夫ですとの答え。前日までなら注文を受けてくれるらしい(当日にお願いして買うことは出来ない)

 事前予約なしでも星空観察会に参加出来ると分かり、慌てて部屋に荷物を置いて集合場所へ向かった。Dちゃんはけっこう酔っていたので部屋で休むことにし、私一人での参加。親子連れなど20人ほどが集まった。

 まず星を天井に映す装置を使い、ホテルの入り口を簡易プラネタリウムにして、お兄さんが今夜見える星座を教えてくれた。その後みんなでマイクロバスに乗り込み、近くのスキー場へ移動。木がないので空を広々見渡せる。しかし半月ながら月の光がものすごく強くて、北斗七星のような有名なものは判別できたものの、暗めの星や天の川は見えなかった。天体観測をするには場所だけでなく、新月の日を選ぶのが大事だと学んだ。

「この月の明るさを逆手に取って、月を見ちゃいましょう」
 お兄さんはそう言いながら、月の表面に焦点を合わせた望遠鏡を覗かせてくれた。これまでに写真や映像で何度も見た通りにクレーターがいっぱいあって、何だか冗談みたいだった。土星にも「土星のイラスト」のような輪がある。
「望遠鏡に土星のシールを貼っている訳じゃないですからね〜」

 解説役のお兄さんを含め、ついてきてくれたホテルの人たちはみな親切だった。寝転がって星を眺められるように、敷物が配られた。横になり、体の力を抜いて、夜空をぼんやり見つめ続ける。シンプルで、心の静まる素敵な時間だった。

 お兄さんは地平線のあたりに散らばる無数の光を指さし、
「あれは街のあかりではなく漁火(いさりび)です。今は一生懸命イカを獲ってます」
 えー!! あれ船なの?! 私にとっては星より珍しく、驚いた。

 星と漁火を充分に堪能し、1時間ほどでホテルに戻った。
 部屋は和風で古めかしく、ベッドではなく布団で寝る。トイレは新しいものに改装してあり快適だった。

 テレビもネットも見ないで早めに寝た。
 おやすみなさい。

鳥取大山登山旅行記〜妖怪もちょっとだけ〜その4に続く)
posted by 柳屋文芸堂 at 00:39| 旅行・お出かけ | 更新情報をチェックする