2018年09月02日

「言葉を超えた写真家 富山治夫『現代語感』」展 感想



 東京ミッドタウンへ行く途中で見たポスターの写真に惹かれ、入場無料だというのでFUJIFILM SQUAREで開催中の「言葉を超えた写真家 富山治夫『現代語感』」展を見てみたら、思った以上に良かった! 1960年代(高度経済成長期)の、人のあふれる都会の風景を、皮肉な、時に優しい視線で切り取っている。

 人口増加が当たり前だった時代。人が生まれてくる喜び(妊婦や赤ん坊の写真)があると同時に、人が多過ぎる大変さ(交通や混雑にまつわる写真)もある。仕事の休憩時間も、夜の恋する時間も、人がぎゅうぎゅう。

 人間は幸福だけを運んでくるわけではなく、他人の不幸は(悪いなと思いつつ)滑稽に見えたりもする。しかし人が生きているというのは、おおむねニコッとしてしまうような出来事なんだ、と感じさせる。ユーモアと物語のある写真ばかりだった。


posted by 柳屋文芸堂 at 23:10| 美術 | 更新情報をチェックする

2018年09月01日

「琉球 美の宝庫」展 感想

 サントリー美術館で開催中の「琉球 美の宝庫」展に行ってきました〜
 9月2日で終わっちゃうので危ないところだった。間に合って良かった。

 やはり一番感動したのはチラシなどに使われている玉冠(ぎょくかん)。



「表面を黒縮緬(ちりめん)で覆い、帯状の金糸が縫い付けられ、各筋には金、銀、珊瑚(さんご)、水晶、瑪瑙(めのう)、琥珀(こはく)、軟玉の7種類の玉が金の鋲(びょう)でとめられている」(展示横の説明文より引用)

(軟玉:硬度が比較的低い玉の一。緑閃石(りょくせんせき)または透閃石(とうせんせき)からなり、古くから飾り石や工芸品に用いられた。「デジタル大辞泉」より)

 豪華でありながら上品。
 こんな宝石の飾り方があるのかと感心した。
 特に朱色っぽい珊瑚の赤と、黒の組み合わせにうっとりする。

 着物の布地も色鮮やかで美しかった。
 王族の少年が着用していたと思われる、芭蕉布の夏物単(ひとえ)
 紅花で緋色に染められている。
 芭蕉は大きな葉を持つ植物で、この茎の繊維から糸を紡いで織るそうだ(参考ページ

 桐板(トゥンビャン)という布もあり、これは虎尾蘭(とらおらん)の繊維で織るとのこと(参考ページ
 苧麻(ちょま)という草の繊維で作る宮古上布(参考ページ)もあった。
 どちらも薄く、暑くても気持ちよく着られそうだ。

 映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」を見て、西洋のデザイナーは中国と日本の文化をごちゃ混ぜにしていると、少々呆れた。
 しかし琉球文化を見ると、中国と日本の文化は分断しておらず、連続しているのだと感じる。

 絵画の中に描かれている「針突(はじち)」も興味深かった。
 琉球の女性が指や手の甲などに施していたという入れ墨(参考ページ
 やはり入れ墨が重要な、ポリネシア文化とのつながりを思った(勝手に思っただけで実際に起源が同じかは不明です)

 華やかさという意味でも、他文化との交流という意味でも、開放的な印象を持った。
 日本に琉球文化があるのは本当に幸せなことだなぁ、と感じる展示でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 11:35| 美術 | 更新情報をチェックする

2018年08月31日

SAKE SHOP 福光屋

昨日、東京ミッドタウンにあるSAKE SHOP 福光屋で甘酒のかき氷を食べました。
甘酒を凍らせて削ったもの。福光屋の甘酒は少しクセがあるのだけど、これは美味しかった!

福光屋は金沢の酒蔵。この店ではつまみやお菓子などお酒以外のものも売っていて、化粧品まである。
私は氷見産のイワシで作ったアンチョビを購入。
美味しそうなものが色々あって我慢するのが大変でした。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 10:28| 料理・食べ物 | 更新情報をチェックする

2018年08月25日

映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」感想



 映画「オーシャンズ8」の舞台になっているメットガラのドキュメンタリーを見てみました。
 メインはパーティーではなく、メット(メトロポリタンミュージアム)で開催される服飾部門の展覧会「鏡の中の中国」の準備。
 ファッションデザイナーが夢見た中国、過去の中国、現在の中国。
 政治的に難しい部分もあり、関係者たちの意見はまとまらず喧喧囂囂。
 開催日が近づくにつれクタクタになっていくキュレーター。
 これで泥棒まで入ったらたまんないよね……

 ファッションはアートではないのではないか、という議論もあるという。
 アートって、何だか面倒くさい単語だよねぇ。
 アートを「技術の粋を尽くした美しいもの」として使えば褒め言葉になるけれど、
 「芸術家が自分勝手に表現したもの」ととらえれば、ファッションデザイナーは、
「俺たちゃ自分のためじゃなく、客を喜ばせるためにやってんだ」
 と腹を立てるだろう。

 デザイナーのジョン・ガリアーノの言葉がすごく良かった。
「アートかどうかは分からないが、あの技術や創造性を思うと… すばらしいものを創り上げたと感じる」
 そう、絵だろうが服だろうが、「すばらしいもの」が素晴らしいんだよ!
 みんな美術館で「すばらしいもの」が見たいんだ!!

 アナ・ウィンターの服は相変わらずどれもこれも最高に美しく似合っている。
 そして相変わらずびしばし気に入らないものを切り捨てる。
 意地悪なのではなく、醜いものが許せないのだ。
 ああいう美意識がしっかりある人、好きだな〜

 リアーナも本当に綺麗で、可愛らしいとも思った。
 オーシャンズ8を気に入った人は、こちらの映画も見てみると良いんじゃないかな。
 あの事件が起きたら、キュレーターさんショックで気絶するだろうね……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:01| 映画・映像 | 更新情報をチェックする

2018年08月24日

映画「オーシャンズ8」感想



 Twitterで話題になっていたので、





 面白そうだな〜 と調べてみたら、雑誌「VOGUE(アメリカ版)」の編集長、アナ・ウィンター(プラダを着た悪魔のモデルと言われている)が関わっていることが分かり、



 これは見に行かねば! となったのでした。
 アナが主催するファッションの祭典「メットガラ」を、アナのセッティングで再現したそう。
 とにかく豪華で、色もデザインも様々なのに、不思議と統一感がある。
 ドレスと会場(メトロポリタンミュージアム)を見ているだけでうっとりした。

 アナ・ウィンター(本人)がテニスの試合を見ていて業務を疎かにする、という場面が出てきて、
「こ、これは間抜けなアナがいるパラレルワールド……!」
 とびっくりした。映画の役の上とはいえ、アナが隙を見せるなんて!!

 パンフのアナの紹介文がすごかった。
「冷徹さと気まぐれさで知られるファッション界の女帝」
 冷徹+気まぐれって恐ろし過ぎないか。

 主演の8人の女性それぞれが魅力的で、この人も、この人も好き、ってなるのだけど、一番好きなのはスリのコンスタンス(オークワフィナ)かな〜
 東洋系で友達にもいそうな感じで、笑うと可愛い。
 彼女がトイレで活躍するシーンが良かった。

 シン・ゴジラの尾頭ヒロミ的存在のナインボール(リアーナ)は、お色直しの後が美し過ぎた。
 アミータ(ミンディ・カリング)もインドの王妃のよう。
 私が着たいのはローズ(ヘレナ・ボナム=カーター)の服です。
 頑張れ、時代遅れのデザイナー!

 パンフにドレスの詳しい解説が載っているのも嬉しい。

 湿っぽいところのない楽しい娯楽作品で、こういう映画が増えると良いのに〜
 泣かせようとする映画は見たくないんだよ……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:49| 映画・映像 | 更新情報をチェックする