2017年05月04日

「25周年おめでとう!映画クレヨンしんちゃんを勝手に振り返ってオススメしてみた」感想

 世津路章さんによる、劇場版クレヨンしんちゃんのレビュー本。
 12作品が紹介されているのですがどれも熱く、愛情にあふれていて、クレヨンしんちゃんにそれほど興味のなかった(ごめんなさい)私も、色々見てみたくなりました。
 特に嫌っていたわけではないのだけど、ちょうど「大人向けの作品が見たい」という気持ちが強くなる思春期の頃に子供向けアニメとして登場してきた感じがあって、見る機会がなかったのでした。

 自分用のメモになりますが、気になった作品とその理由。

☆ヘンダーランドの大冒険
 世津路さんによると、クレヨンしんちゃんの世界を知らない人でも大丈夫な初心者向けの作品らしいので、まずはここから見てみようかなと。
 群馬にあるヘンダーランドへ行く、という土地の感覚も良いなと。

☆暗黒タマタマ大追跡
 魅力的なオカマキャラが出てくるそうなので。
 オカマは大切な文化だと私は思っているのですが、差別的であるとして、今後はかつてのように物語の中に気安く登場することはなくなるだろう。

☆嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
 「懐かしさ」に魅了され、囚われの身になってしまう大人たち、という設定が切実で面白いなと。
 青春というのは離れれば離れるほど美しく見えてくる、というのを最近実感するようになったので。
 心を意識して前に向けないと、人間というのはすぐに下や後ろばかり見てしまうものなのかもしれない。

☆嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス
 事件は起きるのに悪役がいなくて、やや観念的なお話であるらしいところに惹かれた。
 失われるとギスギスしてしまう和みの力、ヒママター。
 その力、出せるようになりたい。

☆バカうまっ!B級グルメサバイバル!!
 一転こちらはおバカストーリーとのこと。
「腹へった! と、おいしいね! は、きっと暴力より、この世の何より強い」
 という文章に、グルメFESという食べ物小説の企画で世津路さんとお話するようになったことを思い出し、微笑んだ。

 レビューは世津路さんのブログでも読めますので(こちら)ぜひどうぞ!
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:42| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

「ミュシャ展」感想

 Dちゃんと一緒に国立新美術館で開催中のミュシャ展に行ってきました〜
 チェコ国外では世界初公開の「スラヴ叙事詩」がやはり見応えがあった。
 私が絵の中で表現されている物語や情感を読み取ろうとするのに対し、Dちゃんは色彩や構図に注目して見ていくのが面白かった。

 歴史を描いたリアルな絵でありながら、デザイン的なテクニックを使っているので、大昔の話というより「現代人のための神話」という印象を受ける。
 発表当時は流行からズレてしまっていたらしく、あまり評判は良くなかったらしい。
 古典的主題と商業的技法の融合って斬新だと思うんだけどな……

 日本の漫画家やイラストレーターがミュシャからの影響を強く受けているせいか、日本人には(特にアニメやゲームなどオタク文化が好きな人には)非常に親しみやすい世界だと思う。

 ミュシャの生涯を紹介する映像コーナーで、最晩年にナチスの尋問を受けたと知った。
 尋問、という言葉にどれだけの恐ろしいことが含まれているかを考え、泣いてしまった。
 ほんの十数分の映像では、ミュシャが人生を送る中で感じた希望や失望がどんなものだったか、本当のところは全然分からないのだけれど。

 悲しいことばかりじゃなかったよね?
 ミュシャの絵のように美しい瞬間も、きっといっぱいあったよね?
 受け手の反応には関係ない、描くという行為そのものから得られる喜びが。

 一部分だけよく知っていた「クオ・ヴァディス」の全体を見られたのも嬉しかった。
 想像していたよりずっと妖艶だった。

 並ばずに入場出来たものの、チケット売り場とグッズ売り場の行列はすごかった。
 可能なら平日に行くことをおすすめします……
 
posted by 柳屋文芸堂 at 23:32| 美術 | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

並木陽「ノーサンブリア物語」感想

 七世紀のブリタニア、簡単に言ってしまえばイギリスの戦国時代を描いた物語。
 沢山の王国と王族が登場するが、本の最初のページに登場人物の表とブリタニアの地図があるので、そこを時々確認しながら読めば全く混乱しない。

 歴史と地理が苦手な私のような人間にとってはありがたい気遣い。
「この人誰? ここどこ?」
 なんて疑問に煩わされることなく、最後まで純粋に物語を楽しむことが出来た。

 いやはや、戦国時代というのは大変なものですね。
 夫の敵が実の弟だったり甥だったり、気の休まる時がない。
 野心に燃える者たちは策を巡らせ勇ましく戦い、血を流して死んでゆく。

 そんな中、詩と音楽を愛し、平和を望むデイアラ王国の王子エドウィンと楽人レゲンヘレの会話にはホッとさせられる。

「貴方のような方がこれ以上、人と人、国と国とのくだらぬ争いに傷ついて生きる必要などないんだ」

 勝つことこそが善の世界に、全く別の価値観が示されることで、戦による死や痛みが相対化される。
 ただただ勝ち進んで気持ち良い・負けて悔しいというだけの話になっていない。
 そこが物語に深みを与えているし、歴史好きという訳ではない私にとっても馴染みやすいものになっている。

 心優しいエドウィンとレゲンヘレに共感していたからこそ、彼らが辿る運命には「あああ!」と叫ばずにはいられなかった。

 この「ノーサンブリア物語」は並木さんが高校時代から温めていたお話だそうで、彼女もまた本懐を遂げたのだと、あとがきを読んで胸が熱くなった。

 王女アクハの賢い侍女たち(シネヴィスとヒュイド)も好き。
 主役脇役に関係なく、全ての登場人物が細やかに愛されて描かれているのを感じる。

 5月7日に東京流通センターで開催される文学フリマ東京で販売され(並木さんのサークル名は「銅のケトル社」配置は2階ウ-10)5月8日からはAmazonでも買えるようになるようです。

ノーサンブリア物語 上 -
ノーサンブリア物語 上 -

ノーサンブリア物語 下 -
ノーサンブリア物語 下 -

 ぜひどうぞ。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 10:48| 読書 | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

「バベルの塔」展 感想

 上野の東京都美術館で開催中の「バベルの塔」展に行ってきました〜
 土曜日にしてはそんなに混雑してなかったです。
 メインの展示品であるピーテル・ブリューゲル1世の「バベルの塔」だけは見るために列を作り、正面で立ち止まることが禁止されていますが。
 2回並んで2度見た(そんなに時間はかからない)

 このバベルの塔、恐ろしく細密。
 塔がいかに巨大であるかを表現するために、人間や建築用のクレーンなど、塔以外のものを可能な限り小さく描いている。
 三倍に拡大した複製画も用意されていて、それを見ても細かい。
 双眼鏡を持ってきている人がけっこういた。準備良いな。

 バベルの塔をCGで立体的に再現し、すぐそばまで迫る動画が上映されているので双眼鏡がなくても大丈夫!
 資材を持ち上げる様子や、石灰をかぶって真っ白になった人々を大きな画面で見られる。
 自分自身がバベルの塔に登ったような気持ちになって楽しかった。

 一緒に行った友人は、
「建設中なんだね! 壊されているところだとばかり思っていた」
 と驚いていた。
 バベルの塔の建設は順調で、このまま完成しちゃうんじゃないかという気がした。

 ヒエロニムス・ボスの作品も来ており、パネル展示ながら「快楽の園」の解説があったのが嬉しかった(残念ながら実物は来ていない)
 村上春樹「1Q84」の文庫版の表紙に、この絵が使われているのです。
 意味ありげでどうとでも解釈出来そうな、不可思議な象徴が多く描かれていて、
「春樹の世界にぴったりだ〜!」
 と感激。
「樹木人間の胴体の中は居酒屋になっている」
 というのが意味不明で素晴らしい。

 枝葉の刺繍の画家の「聖カタリナ」の布地の描き方も美しかった。
 枝葉の刺繍の画家、というのは通称。素敵だ。
 本当の名前は残っていないが、作者もそう悪い気はしないのではないか。

 グッズ売り場の「タオルの塔」に脱力した。
 タオルがバベルの塔っぽく積み上げてあるの。
 私はバベルの塔の形のシフォンケーキを購入。
 バベルの塔の窓(よく見ると一つ一つ形が異なる)がデザインされている紙袋が可愛い。

 上野駅では野菜山盛りのラーメンやパクチー山盛りのサラダが「バベル盛り」と宣伝されており、何だか今日は色んなものがバベルだった。
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:52| 美術 | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

文学フリマ東京参加のお知らせ・新刊情報

 2017年5月7日(日)に東京流通センター第二展示場(東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分)で開催される文学フリマ東京に参加します。
 開催時間は11:00〜17:00 入場無料。
 私のブース番号は「C-02」で入り口のすぐそばです(ここ

 新刊は本の感想本。A5サイズ 96ページ 400円。
 この本をきっかけにして、うちのブースで本の話が出来たら嬉しいです♪

☆表紙


☆まえがき


☆目次








☆本文サンプル


 その他の頒布物はこちら
 当日お会い出来るのを楽しみにしています♪
 
posted by 柳屋文芸堂 at 00:23| 同人活動 | 更新情報をチェックする